小松 礼雄 こまつ あやお
生誕	(1976-01-28) 1976年1月28日（48歳） 日本・東京都[1]
教育	ラフバラー大学・大学院
配偶者	既婚
親	小松雄一郎（実父）
業績
専門分野	自動車エンジニア 技術ディレクター
雇用者	ロータス・カーズ（1999年） カーリン（2000年 - 2001年） HRD UK（2002年 - 2005年） B・A・R（出向2003年 - 2005年） ルノーF1（2006年 - 2011年） ロータスF1（2012年 - 2015年） ハース（2016年 - ）
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小松 礼雄（こまつ あやお、1976年1月28日 - ）は、日本の自動車技術者、博士^[2]。東京都出身。イギリス在住。

主にモータースポーツの分野にて活動し、F1チーム「B・A・R」「ルノー」「ロータス」の技術部門を歴任。2016年以降は「ハースF1チーム」の要職を担い、2024年から同チーム代表を務める。

父親はベートーヴェン研究家の小松雄一郎^[3]。中学時代は「暗記ばかりで物事の本質を教えない」と教師に反発し、中学3年時には「体育以外は自分で勉強する」として図書館に通う毎日だった^[3]。

自称「文系出身のエンジニア」で、高校時代は「数学が苦手で偏差値30台だった」「英語もほとんど話せなかった」という^[4]。しかしフォーミュラ1（F1）チームのエンジニアになりたいという思いから単身渡英し、英会話学校やウォーリック大学の大学入学予備コース等を経て、ラフバラー大学に入学。同大学では自動車工学を専攻し、同専攻の学生の中で2位の成績で1999年に卒業する^[4]。大学時代には、ロータス・エンジニアリング（ロータス・カーズ）に実習生として所属した。この頃にレーシングドライバー佐藤琢磨と知己になっている^[5]。

その後は大学院に進学し、車両ダイナミクスと制御の博士号を取得^[2]。学業の傍ら、イギリスF3にカーリン・モータースポーツから参戦した佐藤琢磨のメカニック・エンジニアとして携わる^[6]。佐藤の推薦でホンダ・レーシング・ディベロップメントの英国支部（HRD UK）に入社し、2003年からF1チームB・A・Rに出向して後年にタイヤエンジニアを務めた^[7]。

タイヤマネジメント等の技術を買われ、2006年にルノーF1へ移籍。2011年にはヴィタリー・ペトロフ担当のレースエンジニアとなり、2012年からはロマン・グロージャン担当のトラックエンジニアとなる。

2016年、グロージャンのハースF1チーム移籍に伴い、自身も同行して創設から加入。同チームのチーフレースエンジニアとして、レース現場における技術責任者を務める^[8]。2019年には技術部長（ディレクター オブ エンジニアリング）に昇格^[9]。

2024年初頭、退任したギュンター・シュタイナーの後任としてチーム代表に就任^[10]。

F1のチーム首脳陣では珍しい日本人であり、毎レースでサーキットに帯同するため、レース中継や専門誌等でコメントを求められることも多い。『オートスポーツ』等の雑誌でコラムも連載するなど、執筆活動も行っている。

前述の通り2024年からハースF1チームの代表を務めており、日本人がF1チームの代表に就くのは山科忠（当時トヨタF1）以来15年ぶり^[11]。過去には既存のチームを買収する形で第3期ホンダF1、ブラバム、レイトンハウス、フットワーク、ラルースで日本資本のチームで代表になったり、鈴木亜久里が自チームのスーパーアグリを立ち上げた例があるが、生粋な外国資本のチーム代表に日本人が起用されたのは初であった。

レーシングドライバーの中ではロマン・グロージャンと非常に縁が深く、2012年にロータスで初コンビを組んで以降、2020年にグロージャンがハースを離脱するまで9年間も関係が続いていた。グロージャンは「僕はアヤオと非常に強い関係を築いてきた」と語ることもあった^[12]。

愛車遍歴はオペル・アストラワゴン→フォード・エスコートMk1→ミニ→ホンダ・ジャズ→ホンダ・シビック→ロータス・エキシージ→アウディ・A4。2019年現在はアウディは売却し「家族全員で乗れる4シーターのスポーツカー」に乗っているが、サーキット走行用にエキシージもキープしている^[6]。

• エンジニアが明かすF1の世界（東邦出版、2019年）ISBN 978-4809414879

• 小松礼雄 (@AyaoKomatsu) - X（旧Twitter）
• Ayao Komatsu - LinkedIn

表 話 編 歴 ハース F1
創設者	ジーン・ハース（英語版）
チーム首脳	小松礼雄 (代表) ジョー・カスター（ポルトガル語版） ロブ・テイラー ベン・アガザンジェロウ
過去のチーム首脳・関係者	ギュンター・シュタイナー シモーネ・レスタ（英語版）
ドライバー	ケビン・マグヌッセン ニコ・ヒュルケンベルグ
過去のドライバー	エステバン・グティエレス ロマン・グロージャン ピエトロ・フィッティパルディ ニキータ・マゼピン ミック・シューマッハ
車両	VF-16 VF-17 VF-18 VF-19 VF-20 VF-21 VF-22 VF-23 VF-24
エンジンサプライヤー	フェラーリ (2016- )
チーム関連会社/プロジェクト	ハース・オートメーション スチュワート＝ハース・レーシング スクーデリア・フェラーリ ダラーラ
スポンサー	マネーグラム Play'n GO アルパインスターズ チポトレ・メキシカン・グリル HaasTooling.com MGMリゾーツ・インターナショナル ニューエラ・キャップ・カンパニー Oakberry Palm Angels ピレリ シューベルトヘルメット Taittinger TravisMathew Tricorp Workwear
過去のメインスポンサー	リッチ・エナジー Uralkali（英語版）

表 話 編 歴 ロータスF1チーム
チーム関係者	ジェラール・ロペス エリック・ブーリエ ジェイムズ・アリソン フェデリコ・ガスタルディ マシュー・カーター アラン・パーメイン ニック・チェスター 小松礼雄
ドライバー	キミ・ライコネン ロマン・グロージャン ジェローム・ダンブロシオ ヘイキ・コバライネン パストール・マルドナド
F1マシン	E20 E21 E22 E23 Hybrid
チーム関連会社	ジニー・キャピタル（英語版） ロータス・カーズ ルノー
スポンサー	トタル ベネズエラ国営石油会社 CLEAR・Rexona Burn マイクロソフト・ダイナミクス サクソバンク Yota

表 話 編 歴 ルノー F1
2016年 - 2020年 ワークスチーム	チーム首脳 フレデリック・バスール シリル・アビテブール 主なスタッフ ボブ・ベル パット・フライ ディルク・デ・ビア（英語版） アラン・パーメイン クリス・ダイヤー（英語版） ニック・チェスター（英語版） マルシン・ブドコウスキー アラン・プロスト 主なドライバー ケビン・マグヌッセン ジョリオン・パーマー カルロス・サインツJr. ニコ・ヒュルケンベルグ ダニエル・リカルド エステバン・オコン 車両 R.S.16 R.S.17 R.S.18 R.S.19 R.S.20 → アルピーヌ 主なスポンサー DPワールド カストロール インフィニティ RCI銀行（英語版） マフレ（英語版） BP デュポン マイクロソフト・ダイナミクス ベル&ロス ユーロデータカー 関連組織 ルノー ルノー・スポールF1
2002年 - 2011年 ワークスチーム	チーム首脳 フラビオ・ブリアトーレ エリック・ブーリエ カルロス・ゴーン（ルノーCEO） 主なスタッフ パット・シモンズ マイク・ガスコイン ボブ・ベル マーク・スミス ティム・デンシャム 小松礼雄 ジェイムズ・アリソン スティーブ・ニールセン 徳永直紀 主なドライバー ジェンソン・バトン ヤルノ・トゥルーリ ジャンカルロ・フィジケラ フェルナンド・アロンソ ヘイキ・コバライネン ジャック・ヴィルヌーヴ ネルソン・ピケJr. ロマン・グロージャン ロバート・クビサ ヴィタリー・ペトロフ ニック・ハイドフェルド ブルーノ・セナ 車両 R202 R23 R23B R24 R25 R26 R27 R28 R29 R30 R31 → ロータス タイトルスポンサー マイルドセブン INGグループ ロータス 主なスポンサー エルフ 韓進グループ テレフォニカ / iモード グル（イタリア語版） ムチュア・マドリレーニャ（英語版） クロノテック（英語版） ペペジーンズ（英語版） ヒューレット・パッカード TWスチール（英語版） ジェニィ・キャピタル（英語版） ラーダ 関連組織 ルノー ルノーF1 太字はルノーにおいてドライバーズワールドチャンピオンを獲得。
2001年 - 現在 エンジン供給	現在の関係者※ ブルーノ・ファミン (エグゼクティブディレクター) 過去の関係者 ジャン＝ジャック・イス ベルナール・デュド ロブ・ホワイト レミ・タフィン 現在の供給先 アルピーヌ 過去の供給先 ベネトン ルノー レッドブル ロータス/ケータハム ロータス ウィリアムズ トロロッソ 関連組織 ルノー ルノーF1（ルノー・スポールF1） アルピーヌ・レーシング（Alpine Racing SAS） メカクローム ※役職等は2023年2月時点。
1989年 - 1997年 エンジン供給	主な関係者 ベルナール・デュド ジャン＝ジャック・イス 供給先 ウィリアムズ リジェ ベネトン 関連組織 ルノー ルノー・スポール アエロスパシアル メカクローム
1977年- 1985年※ ワークスチーム	チーム首脳 ジェラール・ラルース 主なスタッフ フランソワ・キャスタン ジャン＝ピエール・ブーディ ベルナール・デュド ジャン・サージュ アンドレ・デ・コルタンツ ミッシェル・テツ ジャン＝ジャック・イス ジャン＝クロード・ミジョー 主なドライバー ジャン＝ピエール・ジャブイーユ ルネ・アルヌー アラン・プロスト エディ・チーバー パトリック・タンベイ デレック・ワーウィック フィリップ・ストレイフ フランソワ・エスノー 車両 RS01 RS10 RE20 RE20B RE30 RE30B RE30C RE40 RE50 RE60 RE60B 主なスポンサー エルフ ティソ ファコム（フランス語版） エンジン供給先 ルノー ロータス リジェ ティレル 関連組織 ルノー ルノー・スポール メカクローム 関連項目 アルピーヌ・A500 ※他チームへのエンジン供給は1983年から1986年にかけて行った。

表 話 編 歴 B・A・R
主な関係者※	BAR クレイグ・ポロック (共同創設者) ロン・メドウズ ジェフ・ウィリス ポール・クルックス ジル・ド・フェラン クレイグ・ウィルソン アンドリュー・ショブリン ジョック・クリア ジェームス・ボウルズ 小松礼雄（HRD UK） レイナード エイドリアン・レイナード マルコム・オーストラー アンドリュー・グリーン ホンダ / HRD 和田康裕（英語版） 中本修平 橋本健 木内健雄 田辺豊治 プロドライブ デビッド・リチャーズ ニック・フライ
ドライバー	ジャック・ヴィルヌーヴ リカルド・ゾンタ ミカ・サロ オリビエ・パニス ジェンソン・バトン 佐藤琢磨 アンソニー・デビッドソン テスト/リザーブドライバー: 福田良 エンリケ・ベルノルディ アダム・キャロル ジェームズ・ロシター アラン・バンデルメルベ（英語版） ダニロ・ディラニ（英語版）
F1車両	01 002 003 004 005 006 007
主なスポンサー	ブリティッシュ・アメリカン・タバコ（ラッキーストライク・555（英語版）） 新日本石油 レイバン SUPER H2O NGK NTN ショーワ
関連組織	ブリティッシュ・アメリカン・タバコ レイナード ホンダ・レーシング・ディベロップメント (HRD)・ 本田技術研究所 [栃木研究所] プロドライブ
※出身組織（本来の所属組織）別に分類。

表 話 編 歴 ホンダF1
第五期 2026年 - パワーユニット供給	主な関係者 （TBD） 第五期 供給先 アストンマーティン 関連組織 本田技研工業 ホンダ・レーシング (HRC) [HRC Sakura] ホンダ・レーシング USA (HRC US) ホンダ・レーシング UK (HRC UK) AMR GP
HRC 2022年 - 2025年 パワーユニット供給	主な関係者 渡辺康治 本橋正充 角田哲史 折原伸太郎 RBPT関係者: ベン・ホジキンソン 田辺豊治 元関係者 浅木泰昭 供給先 レッドブル アルファタウリ RB 関連組織 ホンダ・レーシング (HRC) [HRC Sakura] レッドブル・パワートレインズ (RBPT)
第四期 2015年 - 2021年 パワーユニット供給	主な関係者 新井康久 長谷川祐介 田辺豊治 山本雅史 浅木泰昭 第四期 供給先 マクラーレン トロ・ロッソ レッドブル アルファタウリ 関連組織 本田技研工業 本田技術研究所 [HRD Sakura] HRDミルトンキーンズ
第三期 2006年 - 2008年 ワークスチーム 2000年 - 2008年 エンジン供給	主な関係者 本田技研工業 福井威夫 和田康裕（英語版） 村松慶太（英語版） 本田技術研究所 保坂武文 木内健雄 西澤一俊 橋本健 中本修平 阿部弘 櫻原一雄 HRD※1 田中詔一 オトマー・サフナウアー レオ・レス 小松礼雄 HRF1※1 ニック・フライ ロス・ブラウン ジェフ・ウィリス ジル・ド・フェラン ロン・メドウズ ヨルグ・ザンダー ロイック・ビゴワ 第三期 ドライバー ジェンソン・バトン ルーベンス・バリチェロ テスト/リザーブドライバー: アンソニー・デビッドソン ジェームズ・ロシター クリスチャン・クリエン アレクサンダー・ヴルツ 車両 RA106 RA107 RA108 RA109K 主なスポンサー ブリティッシュ・アメリカン・タバコ ラッキーストライク 555（英語版） セレラント・コンサルティング セイコー 新日本石油 NTN FILA ブリヂストン 日本特殊陶業 IHI アシックス エンジン供給先 B・A・R ジョーダン ホンダ スーパーアグリ 関連組織 本田技研工業 (HM) 本田技術研究所 [栃木研究所 (HGT)] ホンダ・レーシング・ディベロップメント (HRD) ホンダ・レーシング・F1チーム (HRF1)
HRD 1998年 - 1999年 試作・試走のみ	主な関係者 保坂武文 ハーベイ・ポスルスウェイト ティム・デンシャム ベン・アガザンジェロウ ルパート・マンウォリング スティーブ・ニールセン ヨス・フェルスタッペン 車両 RA099 関連組織 本田技研工業 ホンダ・レーシング・ディベロップメント (HRD) 無限 ダラーラ
無限ホンダ 1992年 - 2000年 エンジン供給	主な関係者 本田博俊 白井裕 橋本朋幸 坂井典次 エンジン MF351H MF301H 供給先 フットワーク ロータス リジェ プロスト ジョーダン 関連組織 無限 本田技術研究所 [栃木研究所]
本田技術研究所 1991年 - 1994年 試作・試走のみ	主な関係者 橋本健 瀧敬之介 車両 RC1 (RC-F1 1.0X) RC1B (RC-F1 1.5X) RC2 (RC-F1 2.0X) 関連組織 本田技術研究所 [栃木研究所]
第二期 1983年 - 1992年 エンジン供給	主な関係者 川本信彦 桜井淑敏 後藤治 市田勝已 安岡章雅 白井裕 第二期 エンジン RA163E RA164E RA165E RA166E RA167E RA168E RA109E RA100E RA121E RA122E/B 供給先 スピリット ウィリアムズ ロータス マクラーレン ティレル 関連組織 本田技研工業 本田技術研究所 [和光研究所・栃木研究所] 無限 ※1991年 関連項目 F2 (RA260E)
第一期 1964年 - 1968年 ワークスチーム	主な関係者 本田技研工業 本田技術研究所 本田宗一郎 中村良夫 久米是志 川本信彦 入交昭一郎 佐野彰一 ホンダ・レーシング 中村良夫 ジョン・サーティース サーティース関係者: デリック・ホワイト レン・テリー / ローラ関係者: エリック・ブロードレイ トニー・サウスゲート 第一期 ドライバー ロニー・バックナム リッチー・ギンサー ジョン・サーティース ジョー・シュレッサー デヴィッド・ホッブス ヨアキム・ボニエ テスト/リザーブドライバー: クリス・アーウィン 車両 RA270 RA271 RA272 RA273 RA300 RA301 RA302 主なスポンサー BP グッドイヤー 1967年 - 1968年: シェル ファイアストン 関連組織 本田技研工業 本田技術研究所 ホンダ・レーシング / サーティース ローラ 関連項目 F2 (RA300E/RA302E（英語版） ブラバム・BT18) 荒川テストコース クーパー・T53
関連項目	年表 鈴鹿サーキット※2 ホンダコレクションホール※3
※ 第2期・第3期・第4期の「主な関係者」は、基本的に各部門の「長（ディレクター）」以上にあたる人物のみに絞って記載（多数に及ぶため）。 ※ 「関連組織」の( )には略称、[ ]には関連する下部組織を記載。 ※1 ホンダ本社の役職者と本田技術研究所の人物を除く（兼務者が多数に及ぶため）。 ※2 ホンダ所有のサーキット。第1期と第2期に主要なテストコースとして用いられた。 ※3 ホンダ所有の展示施設。第1期から第4期の車両を所蔵（基本的に動態保存）している。