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ブナ科

ブナ科
新緑のブナの巨木(籾糠山、2013年6月4日)
ブナ Fagus crenata
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類I eurosids I
: ブナ目 Fagales
: ブナ科 Fagaceae
学名
Fagaceae
Dumortier
英名
beech family
亜科亜属

ブナ科(ブナか、学名: Fagaceae)は、被子植物の一つで、世界に7から10属、1,100種程度ある[1]。多くは高木。古くは殻斗科とよばれた。

形態

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常緑樹落葉樹もあるが、すべて木本。新芽は鱗片が螺旋状に並んだもので包まれる。

雌雄同株で、雄花状について垂れ下がり、いわゆる尾状花序である。

殻斗総苞片が硬く変化したもの)に1個ないし2-3個の果実(堅果、一般に「ドングリ」と呼ばれる)の基部あるいは全体が覆われ、殻斗果(ドングリ状果)と呼ばれる偽果をつける。

生態

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ブナ科樹木はにおいて菌類と樹木が共生したものである菌根を作ることでよく知られている。特に外菌根を作るものが多く、共生した菌類が作り出す子実体は人間が「キノコ」として認識できる大きさに育つものが多い。菌類と共生し、自身の根を菌根化することによって栄養面吸収能力や菌類が作り出す抗生物質による耐病性の面で樹木に利点があり温帯域での繁栄の一因になっていると考えられている。同じように外菌根を作り温帯域で栄えている樹木としてマツ科の各種針葉樹があり両者はしばしば並んで挙げられる。外菌根を作る菌類が他種の植物とも外菌根を作り栄養分のやり取りを行っていることなどが近年わかってきており、ブナ科やマツ科樹木が優先する森林に限らず土壌中には菌根を介した広大で多様なネットワークが存在すると考えられている[2][3][4][5][6][7]。ブナ科と共生し菌根を作る菌類は多くの科にわたって知られており、ベニタケ科テングタケ科イグチ科フウセンタケ科などが知られる。

ブナ科の種子はドングリと呼ばれるものが多い。ドングリは比較的短命な種子であり、難貯蔵性種子(英:Recalcitrant seed)と呼ばれるものほどではないが乾燥させると発芽率が大きく低下する。本科の発芽は地下性(英:hypogeal germination)のものが多いが、ブナ属などは地上生(英:epigeal germination)である。ドングリは豊凶の差が激しく、ドングリを餌としている野生動物に影響を与えている。

種子による繁殖だけでなく、萌芽更新を行うものが多い。

人間との関わり

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木材

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燃料

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ブナ科の木材は火持ちがよく長時間燃焼すること、かつ有毒ガスやきついにおいを出さないことからでとしてよく使われる。薪としてそのまま燃焼させるだけでなく、木材を熱分解して炭化させた木炭としても評価が高いものが多い。木炭に加工することで薪と比べてさらに匂いが減少する。高級木炭の代名詞である備長炭は本科のウバメガシQuercus phillyraeoides)から作られる。クヌギの木炭は断面が菊の花のように見えることから菊炭と呼ばれ、茶道において湯を沸かすことに用いられる高級木炭である。

萌芽更新しやすいブナ科は根株さえ残しておけば、10年から20年毎に定期的に収穫できることが後述のキノコ栽培と共に大きな利点であった。炭焼き窯の跡地は日本各地の山林に残っている。

キノコ栽培

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キノコ栽培の原木として丸太を適当な長さに切ってそのまま使う(いわゆる原木栽培)ほか、粉砕しておがくず状に加工し培地の原料の一部として使うこともある(いわゆる菌床栽培)。この方法で栽培できるのは木材腐朽菌のキノコであり、ブナ科の生態にも大きく関係する生きた樹木と共生関係にある菌根性のキノコは栽培できない。

食料

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実を食用にできるものが多い。本科で最も有名なのはクリ属Castanea)のものであり実を目的に栽培も行われている。現在はクリ属以外は広範囲で食べられる種類はないが、ほかの種もかつては広く食用にされていたと考えられており、各地の遺跡から食べた痕跡が見つかったり各種の資料や言い伝えなどに残っている。クリ属、シイ属マテバシイ属などは比較的アクが少なく食べやすい種類が多いが、その他のドングリはアクが強く、食用とするためのアク抜きの文化が地域ごとに発達していた。

防風林

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防風林としては北海道の海岸部におけるカシワの利用例が有名である。カシワは落葉樹であるが、冬でも枯葉を落としにくいことが一因として挙げられる。本州以南ではクロマツクスノキタブノキに変わる。

分布

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温帯から亜熱帯にまで広く分布し、生育地のほとんどで、森林を構成する重要な樹種となっている。日本では、シイカシ類が常緑広葉樹林の、ブナ落葉広葉樹林の重要な樹種である。

下位分類

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下位分類はブナ亜科とその他1亜科または2亜科に分かれるとする研究者が多い。以下、2亜科に分かれる説をもとに記述する。

ブナ亜科 Subfamily Fagoideae

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ブナ亜科はブナ属だけから成る単型の亜科である。

ブナ属(学名:Fagus

コナラ亜科 Subfamily Quercoideae

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この節は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)出典検索?"ブナ科" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2013年12月)

脚注

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  1. ^ 『樹に咲く花 離弁花1』(208頁)には「6属約600種」、『どんぐりハンドブック』(66頁)には「7属約850種」とある。
  2. ^ 谷口武士 (2011) 菌根菌との相互作用が作り出す森林の種多様性(<特集>菌類・植食者との相互作用が作り出す森林の種多様性). 日本生態学会誌61(3), p311-318. doi:10.18960/seitai.61.3_311
  3. ^ 深澤遊・九石太樹・清和研二 (2013) 境界の地下はどうなっているのか : 菌根菌群集と実生更新との関係(<特集>森林の"境目"の生態的プロセスを探る). 日本生態学会誌63(2), p239-249. doi:10.18960/seitai.63.2_239
  4. ^ 岡部宏秋,(1994) 外生菌根菌の生活様式(共生土壌菌類と植物の生育). 土と微生物24, p15-24.doi:10.18946/jssm.44.0_15
  5. ^ 菊地淳一 (1999) 森林生態系における外生菌根の生態と応用 (<特集>生態系における菌根共生). 日本生態学会誌49(2), p133-138. doi:10.18960/seitai.49.2_133
  6. ^ 宝月岱造 (2010)外生菌根菌ネットワークの構造と機能(特別講演). 土と微生物64(2), p57-63. doi:10.18946/jssm.64.2_57
  7. ^ 東樹宏和. (2015) 土壌真菌群集と植物のネットワーク解析 : 土壌管理への展望. 土と微生物69(1), p7-9. doi:10.18946/jssm.69.1_7
  8. ^ タイワンブナと同種とされることもある。
  9. ^ 現在は誤記載とされることも多い。

関連文献

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  • 林弥栄編 編『日本の樹木』林弥栄ほか解説、山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1985年。ISBN 4-635-09017-5 
  • 茂木透写真「ブナ科」『樹に咲く花 離弁花1』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、208-281頁。ISBN 4-635-07003-4 
  • いわさゆうこ『どんぐりハンドブック』八田洋章監修、文一総合出版、2010年。ISBN 978-4-8299-1176-1 
  • 横山和正「どんぐりを利用したブナ科植物の自然観察 【特集論文】」『滋賀大学環境総合研究センター研究年報』第3巻第1号、滋賀大学環境総合研究センター、2006年3月、9-19頁、CRID 1050282813802431616hdl:10441/1386ISSN 1349-18812024年7月20日閲覧 

関連項目

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外部リンク

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ブナ科
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