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中華民国の国旗

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中華民国の国旗
中華民国の旗
用途及び属性 標準旗 市民・政府・軍隊陸上、市民・政府・軍隊海上?
縦横比 2:3
制定日 1928年10月8日95年 + 279日)
使用色
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根拠法令 中華民国国徽国旗法(1928年)
中華民国憲法(1946年)
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海軍旗章の掲揚方法

中華民国国旗(ちゅうかみんこくのこっき)は、左上が青地でその中心に白い太陽が描かれており、残りが赤地の旗。青天白日満地紅旗(せいてんはくじつまんちこうき、青天白日滿地紅旗拼音: Qīngtiān Báirì Mǎndìhóng Qí、チンティエンバイリーマンディーホンチー)と呼ばれる国旗の左上に描かれている青天白日紋章は、中華民国の国章であり、中国国民党の党章にも使われる。青・赤・白の3色は孫文の唱えた三民主義(民族の独立、民権の伸長、民生の安定)に由来し、青は民権主義で正義を、赤は民族主義自由独立を、白は民生主義で友愛を象徴する。青は(青天)を、太陽(白日)の光芒は十二刻を表わし、通称「青天白日旗」と呼ばれる[1][2]

解説

青天白日旗は1895年広州の武装蜂起の際に作られ[2]、中華民国の現在の国旗は、1928年蔣介石が中華民国南京国民政府(今日の中華民国政府の前身)を成立させた際に初めて正式に採用された。1974年から2010年までのミャンマー(当初の国名はビルマ)国旗と似たデザインである。

青天白日満地紅旗はの3色で構成されているが、これは孫文三民主義(民族の独立、民権の伸長、民生の安定)に由来しており、青は民権主義と同時に自由と正義を、赤は民族主義と同時に革命に身を捧げた人々の血を、白は民生主義と同時に平等と友愛をそれぞれ象徴している。同時に、青天白日の紋章は、青は空を、12本の光芒からなる白日(白い太陽)は1年の12か月と十二支十二宮十二刻を表し、中華民国の絶え間ない進歩を象徴している。

中華民国は1928年から1989年まで国民党一党独裁下にあった。1989年に政党結社が自由化されると、中華民国の政治体制は徐々に民主化され、1996年中華民国総統選挙から台湾地区(中華民国政府の実効統治地域)の住民による総統の直接選出が始まり、2000年の総統選挙民主進歩党が政権を握り、2008年の総統選挙で国民党が与党に復帰する政権交代が起こった。2016年の総統選挙では民進党が政権を奪回したが、この間も含め青天白日満地紅旗は一貫して中華民国の国旗であり続けている。

歴史

青天白日旗

青天白日満地紅旗は、青天白日旗を基としてデザインされたものである。当初、青天白日旗は国民党の前身である中国革命同盟会の旗として、1893年陸皓東がデザインしたものである。1906年、孫文は青天白日旗を中華民国の国旗として併用しようとした。この際、黄興が日本の国旗である日章旗との類似性と、青天白日旗の色彩が質素で単調なことを指摘した。これを受けて張永福の妻が構想していた国旗案のひとつを参考に、孫文が赤地を加えて青天白日満地紅旗を完成させた。青天白日旗は、1919年に成立した国民党の党旗に制定された。

五色旗

1912年の中華民国建国後、臨時大総統国家元首)に就任した孫文は青天白日満地紅旗を国旗として採用しようとしたが、臨時参議院(議会)との協議の結果、かつて朝の海軍で使用されていた旗を基とした五色旗中国語版を国旗とし、青天白日満地紅旗を中華民国の海軍旗として使用することとなった(青天白日満地紅旗は1913年から使用開始)。当初、五色旗は中華民国の国旗として各界から認知されていたが、袁世凱が政府から孫文も含めた革命勢力を追放して権力を掌握する(北京政府)と、袁世凱の施政に反発する人々を中心として五色旗に対する反発が強まっていった。

五色旗は、赤=漢族、黄=満洲族、青=モンゴル族、白=ウイグル族、黒=チベット族五族共和を意味するとされた。色と民族の対応は異説があり、中国古来の五行思想を反映したとも言われる。満洲民族の王朝である大清帝国に由来する旗であることから、後に満洲の地に建国された満洲国国旗に応用された。

青天白日満地紅旗

一方、北京政府から追放された孫文をはじめとする革命勢力は、北京政府に対抗すべく1919年広東で国民党を結成し、その際に青天白日の紋章を党章とした。そして、勢力を拡大した国民党は1925年に広州で国民政府を樹立するが、張永福の妻が構想していた国旗案のひとつを参考に孫文が赤地を加えて完成させた青天白日満地紅旗を国旗として定めたため、中華民国には2種類の国旗が並存する事態が生じた。この並存状態は、1928年に蔣介石の南京国民政府が全国を統一した際に制定した中華民国国徽国旗法で国旗を五色旗から青天白日満地紅旗に変更することで解消した。その際に、青天白日の紋章も正式な国章として制定され、これ以降中華民国の国旗・国章は今日まで変更されることなく使用され続けている。国民革命軍の軍旗としても採用され、1948年以降は中華民国陸軍の軍旗として使用されている。

中華人民共和国の成立と国際的な扱いの変遷

青天白日満地紅旗と青天白日は、1949年中華人民共和国成立までは中国共産党が支配していた陝甘寧辺区や国民革命軍に編入された八路軍でも使用されていた。「中国の国旗」として世界的にも認知され、中華民国政府が台湾に退いた後も「中国を統治する唯一の合法(正統)国家は中華民国である」という主張が国際的に認知されている間は、国際連合などの国際的な公式の場で掲揚された。しかし中華人民共和国が1970年代に取り組んだ西側諸国との関係改善と、国連における「中国」代表権を中華民国から中華人民共和国に移す1971年国連総会決議2758の採択などの結果、「中国を統治する唯一の合法(正統)国家」として中華民国を承認する国が激減し、青天白日満地紅旗も「中国の国旗」として国際的に認知されなくなっていった。そのために現在では、青天白日満地紅旗が台湾以外の公式な場で掲揚される機会が大変少なくなっている。

かつて英国領だった時代の香港では、自由・民主・自治の実現を願い、青天白日満地紅旗がはためく光景が見受けられた。1997年香港返還により英国植民地から中華人民共和国の特別行政区になってからは、香港でこの旗が公然と掲げられることはごくまれになった。 その後の中国共産党による強権的な一党独裁支配に対する体制運動においては、むしろ英国植民地時代の香港旗が掲げられる傾向にある。2019年-2020年香港民主化デモでは、台湾への支持と連帯を示す意図から、青天白日満地紅旗を掲げるデモ参加者が見受けられる。

国際スポーツにおける扱い

オリンピック委員会旗(梅花旗)

青天白日満地紅旗は、オリンピックFIFAワールドカップなどの世界的なスポーツ大会の場でも公式に掲揚されることはなくなった。1984年以降、オリンピックに中華民国の選手が「チャイニーズタイペイ(中華台北,Chinese Taipei)」代表として出場する際には、青天白日満地紅旗の代わりにチャイニーズタイペイオリンピック委員会旗(中華奥林匹克委員會旗、通称:梅花旗)が使用・掲揚されている。同旗は国旗に使われる青白赤の3色で国花のをかたどり、その中に国章とオリンピックシンボルの五輪を掲げている。

「台湾旗」の提唱

台湾旗

大陸から移ってきた中華民国の統治と国民党による一党独裁を拒否し、主権国家である「台湾共和国」の樹立を目指す台湾独立運動では青天白日満地紅旗の使用が忌避され、独自のデザインを持つ旗の使用が提案されてきた。2001年、世界台湾人大会において元民進党主席・姚嘉文によりデザインされた「台湾旗」が提案され、以後同大会の旗として、あるいは民進党内にも多い台湾独立派のシンボルとして使用されている[3]。なお、台湾旗では民進党のイメージカラーでもある緑色が使われ、泛緑連盟として総称される「台湾本土化」の色として、国民党を中心とする泛藍連盟との対比をなしている。

脚注

  1. ^ 台湾の国旗 世界の国旗図鑑
  2. ^ a b 東京都立図書館 台湾2019年7月22日公開、2022年11月27日閲覧。
  3. ^ 台湾建国応援団、【情報】台湾旗(台湾独立旗)の入手方法について、2013年1月20日付

関連項目

外部リンク

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