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超光速航法

超光速航法(ちょうこうそくこうほう)は、SFなどに見られる架空航法であり、宇宙船等の乗り物又は個人が光速を超える速さで移動するための技術

定義

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相対性理論によると、物体の相対論的質量速度が上がるにしたがって増加し、光速において無限大となる。このため、単純に加速を続けるだけでは光速に達することも、光速を超えることもできない。宇宙を縦横無尽に駆け回るSF(とくにスペースオペラ)の恒星船ではこのままだと都合が悪いので、さまざまな架空理論にもとづく超光速航法が考えられている。ハードSFでは、最先端の物理学の仮説を利用して相対論の枠内でブラックホールを利用することにより、超光速を使わずに空間移動する方法や超空間での移動を用いる。

また、SFの設定では、超光速航法の関連技術を使って超光速通信も行われているとすることがある。そうでない場合、通信よりも超光速宇宙船で移動するほうが先に届くため、「通信宇宙船」を設定することがある。

超光速航法というと光より速いスピードとシンプルに考えるかもしれないが、話はそう単純ではない。例えば宇宙に近道を作るタイプの超光速航法では、光より遅い進行スピードで光より早く目的地に到着する。これは到着が早いのであって、速度が速いのではない。また、速度を計る時計の進みも相対性理論では場所によって異なり、ほぼ光速で飛行している宇宙船内やブラックホールの事象の地平面付近では地球上の我々から見ると時間はほとんど止まっている。すなわち、このような時間の遅れた系にいる観測者が『体感』する移動は、その観測者から見て光速は常に光速であるにもかかわらず、超光速航法と全く同じ結果になることがある。

研究機関

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  1. Eagle Works Laboratory(Advanced Propulsion Laboratory: APL), NASA
  2. Limitless Space Institute(LSI)
  3. Enterprise Lab Group, Arizona State University(ASU)
  4. Propulsion Research Center, Alabama University in Huntsville(UAH),

種類

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論文

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アルクビエレ・ドライブ
アルクビエレ・ドライブ(Alcubierre drive)は、メキシコ人の物理学者ミゲル・アルクビエレ(英語版)が提案した、アインシュタイン方程式の解を基にした空想的アイディアである。これによれば、もし負の質量といったようなものが存在するなら、ワープないし超光速航法が可能となる。発表以来、それを基にした論文がたびたび発表され、物理学界の片隅で今なお議論が行われているテーマである。

SF

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初期のSFやスペースオペラでは、相対性理論に言及せず、加速を続けることによって光速を越えている例がみられる。

バーゲンホルム航法
エドワード・E・スミスの『宇宙のスカイラーク』シリーズでは、相対性理論に触れたうえで観測事実として加速継続による超光速が実現されたとの設定で、理論は現実によって修正されるとされている。また、同じ作者の『レンズマン』シリーズでは、「バーゲンホルム機関」という装置で質量が持つ慣性を無効化し、宇宙船の質量そのものを無効化して超光速を達成している。
亜空間航法
SFテレビシリーズの『スタートレック』では、ワープ・エンジンによって宇宙船を包み込むように亜空間フィールドを発生させ、亜空間フィールドの膜に包まれた内部は、プランク時間以内に通常の空間に対して光速で進み出し、ワープ航法を行うという設定になっている。作中では、ワープ用の亜空間フィールドを「ワープ・フィールド」とも称している。亜空間フィールドの膜の中は通常の空間であり、宇宙船自体は通常の空間に対して静止している。亜空間フィールドの外から見ると、宇宙船は亜空間フィールドの膜に包まれて光速で移動しているように見えるが、宇宙船自体は亜空間フィールドの膜の中にある通常の空間に対して静止している。『スタートレック』シリーズでは、亜空間という架空の空間により、光速以上の速さで移動できないという相対性理論との矛盾を回避している。
これと似た方法では、『エイリアン』シリーズにおいては、「超推進エンジン」が船の周辺に「超推進フィールド」を張り巡らせ、この中の物体は光速を超えることができる。超推進中の船から脱出ポッドが飛び出した場合は光速以下に減速するため、強力な慣性力がポッドにかかる。しかし、ポッド船体や搭乗員にダメージが及ぶほどではない描写がある。それと同様、冷凍睡眠の延長上と思われる「超睡眠カプセル」も用いられる(ただし、通信については電波を亜空間経由で通す超光速通信がなされていることが、『エイリアン3』で描かれている)。
ハイパースペース・トラベル
アイザック・アシモフは晩年の作品『ネメシス』において、『ファウンデーション』シリーズなどに登場する超光速航法「ハイパースペース・トラベル」の開発史を描いている。それによると、ハイパースペース(超空間)通過時においても宇宙船は通常空間の恒星などの大質量点による引力の影響を受けるが、超光速においてはそれが逆に斥力として作用するため、通常空間復帰時に誤って恒星やブラックホールなどに突っ込んでしまう恐れは無い、と説明されている。
光速伸張航法
本職の工学者である石原藤夫は、自らのSF小説『ホワイトホール惑星』に登場させた「白黒穴帆型推進システム」において、ローレンツ収縮の公式とツィオルコフスキーの公式(と他の幾つかのやや強引な仮定)を元にして、「数式的に」超光速運動の原理を証明して見せた。また、石原藤夫の別の作品、太陽系を中心とした直径100光年の球殻宇宙「光世紀世界」を舞台にしたハードSF「光世紀パトロール」シリーズには「光速伸張航法」が登場する。
跳躍航法(ジャンプ・ドライブ)
山本弘の小説『サイバーナイト』では、極めて小さな時間単位(プランク秒未満)のうちでは物理法則が無効になるので、その時間単位内で膨大なエネルギーをつぎ込んで超光速で移動するという「跳躍航法(ジャンプ・ドライブ)」が使われている。山本の作品では、パロディも含めてこの種の超光速航法が多数登場する。
Ωドライブ、超光速シャフト、フィリップス駆動、レストラン数論ドライブ
同様に観測問題的トリックを使用するものには、神林長平の『敵は海賊』シリーズに登場する「Ωドライブ」と、谷甲州の『終わりなき索敵』に登場する「超光速シャフト」の利用がある。それぞれ細かいカラクリは異なるが、方法としては目的空間に先行情報を送り込み、その場所における存在確率を上げてから実体を送り込んで辻褄を合わせをする点で共通している。海外のSFで似た方式を取るものとして、ジェイムズ・P・ホーガンの『創世記機械』に登場する「フィリップス駆動」がある。これは物質を高次空間の波動が4次元空間に投射されたものとみなし、出発地で一旦分解したパターンを目的地で再構成することで移動を行う。また、観測問題的トリックを用いたものの亜種あるいはパロディに、ダグラス・アダムスの『銀河ヒッチハイク・ガイド』に登場する、「レストラン内での数の非絶対性」を用いた「レストラン数論ドライブ」がある.
それ以外の超光速航法には、高次元空間や亜空間、二次元空間などの相対性理論が適用されない空間を通過する方法などがある。
ワームホール
宇宙船の装置による超光速航法以外に、宇宙の特定の場所の間にはワームホール(虫食い穴)という抜け道が存在し、そこを通ることによって超光速を達成するというものもある。ワームホールは宇宙が出来た時から自然に存在していた場合や、超文明を持った宇宙の先住種族の技術によって作られた場合、人類の技術によって作成した場合などがある。前者の「宇宙ができたときから自然に存在していた」という設定では野尻抱介の『クレギオン』シリーズが、「超文明を持った宇宙の先住種族の技術」としてはアーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』に登場するスターゲートがある。なお、後者の人類によって作製されたワームホールゲートを利用したものとして、『太陽の牙ダグラム』にて地球-デロイア間の移動に用いられているものがある。これは後述の通りそのままの名称を用いている。

その他は以下のようなものがある。

超光速機関・超光速航法の一覧を表示するには右の [表示] をクリックしてください。

脚注

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  1. ^ 地球側での呼称。「D.S.ドライブ」という表記ゆれもある。同じ航法をバッフ・クラン側は「亜空間飛行」と呼んでいる。
  2. ^ a b c これらの原理は全く同一のものだが、空間突破の際の振動軽減方法が全く異なる。
  3. ^ 他の有名な超光速航法とは少しばかり毛色が違うもので、本作の肝でもある時間跳躍も可能としている。原理は前述の通り、超空間航行が実質的時間跳躍と等しくなる理論である。

関連項目

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超光速航法
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