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言霊

この記事は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)出典検索?"言霊" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL(2014年2月)

言霊(ことだま)とは、言葉が持つとされる霊力。言魂(ことだま)とも表記する。

概要

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に出した言葉、音声言語が、現実事象に何がしか影響すると信じられ、良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こるとされた。そのため、祝詞を奏上する時には絶対に誤読がないように注意された。今日にも残る結婚式などでの忌み言葉も言霊の思想に基づくものである。

日本は言魂の力によって幸せがもたらされる国「言霊の幸ふ国」とされた。『万葉集』(『萬葉集』)に「志貴島の日本(やまと)の国は事靈の佑(さきは)ふ國ぞ福(さき)くありとぞ」(「志貴嶋 倭國者 事霊之 所佐國叙 真福在与具」 - 柿本人麻呂 3254)「…そらみつ大和の國は 皇神(すめかみ)の嚴くしき國 言靈の幸ふ國と 語り繼ぎ言ひ繼がひけり…」(「…虚見通 倭國者 皇神能 伊都久志吉國 言霊能 佐吉播布國等 加多利継 伊比都賀比計理…」 - 山上憶良 894)との歌がある。これは、古代において「言」と「事」が同一の概念だったことによるものである。漢字が導入された当初も言と事は識別されずに用いられており、例えば事代主神が『古事記』では「言代主神」と書かれている箇所がある。『古事記』には言霊が神格化された一言主大神の記述も存在する。

自分の意志をはっきりと声に出して言うことを「言挙げ」と言い、それが自分の慢心によるものであった場合には悪い結果がもたらされると信じられた。例えば、『古事記』において倭建命伊吹山に登った時、山の神の化身に出会ったが、倭建命は「これは神の使いだから帰りに退治しよう」と言挙げした。それが命の慢心によるものであったため、神であったことを見抜けず、命は神の祟りに遭い亡くなってしまった。すなわち、言霊思想は、万物に神が宿るとする単なるアニミズム的な思想というだけではなく、心の存り様をも示すものであった。

万葉時代に言霊信仰が生まれたのは、中国の文字文化(漢字)に触れるようになり、大和言葉を自覚し、精神的基盤が求められたこととも無縁ではないという指摘がある[1]江戸期国学によって、再び取り上げられるようになった際も、漢意(からごころ)の否定や攘夷思想とも関連してくるとされ、自国文化を再認識する過程で論じられてきた[2]

金田一京助は『言霊をめぐりて』の論文内で言霊観を三段に分類し、「言うことそのままが即ち実現すると考えた言霊」「言い表された詞華の霊妙を讃した言霊」「祖先伝来の一語一語に宿ると考えられた言霊」とし、それぞれ「言語活動の神霊観」「言語表現の神霊観」「言語機構の神霊観」ということに相応しいと記している。

記・紀の神話内に終末論が無い理由の一つであり、神道に救世・救済思想が無い[3]のも、救世思想が終末論と表裏一体の信仰のためである(従って、カルトによる終末を用いた脅しや集団自殺も存在しない)。

山本七平井沢元彦は、日本には現代においても言葉に呪術的要素を認める言霊の思想は残っているとし、これが抜けない限りまず言論の自由はないと述べている[4]。山本によると、第二次世界大戦中に日本でいわれた「敗戦主義者」とは(スパイサボタージュ[要曖昧さ回避]の容疑者ではなく)「日本が負けるのではないかと口にした人物」のことで、戦後もなお「あってはならないものは指摘してはならない」という状態になり、「議論してはならない」ということが多く出来てきているという[5]

他の文化圏の言霊

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他の文化圏でも、言霊と共通する思想が見られる。『旧約聖書』の「ヘブライ語רוח הקודש」(ルーアハ)、『新約聖書』では「: πνεῦμα, pneuma」(プネウマ。動詞「吹く(: πνέω, pneō)」を語源とし、息、風を意味する)というものがある。「風はいずこより来たりいずこに行くかを知らず。風の吹くところいのちが生まれる。」この「風」と表記されているものが「プネウマ」である。

一般に、音や言葉は、禍々しき魂や霊を追い払い、場を清める働きがあるとされる(例:拍手 (神道))。これは洋の東西を問わず、祭礼や祝い、悪霊払いで行われる。神事での太鼓、カーニバルでの笛や鐘、太鼓、中華圏での春節の時の爆竹などはその一例である。

言葉も、呪文や詔としてその霊的な力が利用される。ただし、その大本になる「こと」(事)が何であるかということには、さまざまな見解がある。たとえば「真理とは巌(いわお)のようなものであり、その上に教会を築くことができる」と考えたり、あるいは「真実を知りたければ鏡に汝自身を映してみよ、それですべてが明らかになる」といい、それは知りうるものであり、また実感として捉えられるものであるとみる意見や、「こと」自体はわれわれでは知りえないものであるという主張もある。これらはさまざまな文化により、時代により、また個人により大きく異なっている。

言霊に関する逸話

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  • 関東古戦録』巻二の記述として、に鳴くは凶の印であると説明された北条氏康和歌で狐自身に凶を返す歌を詠むと、狐が息絶えたと記される。
  • 『神判記実』(明治初期の伊勢神宮神官・山口起業が集めた霊験譚)の話として、紀伊国の岩松というの群れに襲われ、木に登るも、狼は背に登って重なり迫って来たため、暗唱していた祓詞を唱えると、心が清浄になり、狼達は降り、地に伏せ始めた。そのまま祓詞を続けると、朽ちた木の枝が折れ、大きな音と共に落ちたため、狼達が四散して逃げた。その後も岩松は祓詞を唱え続け、96歳まで生きた。
  • 山蔭基央によれば、古来、禊には、「言霊の禊」「水の禊」「火の禊」「霊の禊」があり、言霊の禊の主流は大祓の詞だが、弟子のオランダ人にオランダ語に訳してやるよう提示したところ、言霊のバイブレーションは発動しなかったと主張している[6]

脚注

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  1. ^ 川村湊 『言霊と他界』 講談社学術文庫 2002年 ISBN 4-06-159575-X p.15.
  2. ^ 同『言霊と他界』 p.15.
  3. ^ 歴史学研究会/日本史研究会編 『講座日本史 5 明治維新』 東京大学出版会 10刷1976年(初版70年) p.261.
  4. ^ 井沢元彦「言霊」祥伝社、「言霊の国解体新書」「逆説の日本史」小学館などの諸作。
  5. ^ 山本七平・小室直樹日本教の社会学』 ビジネス社、2016年、p.58.(初出1981年)
  6. ^ 山蔭基央 『よくわかる日本神道のすべて』 日本文芸社 1997年 ISBN 4-537-02262-0 p.53.

関連項目

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外部リンク

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