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笠郎女

笠郎女(かさのいらつめ)は奈良時代中期の歌人。生没年未詳。一説には笠金村の娘。大伴家持とかかわりのあった十余人の女性のひとりで、同時代では大伴坂上郎女とならび称される女性歌人。『万葉集』巻三、巻四、巻八に計29首の歌が収載されている。内訳は、譬喩歌[1]3首、相聞歌24首、およびの相聞各1首。いずれも家持に贈った歌である。

巻三(譬喩歌)

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--笠郎女が大伴宿禰家持に贈れる歌三首

  • 託馬野(つくまぬ)に 生(お)ふる紫草(むらさき) 衣染め 未だ着ずして 色に出にけり(395)
  • 陸奥(みちのく)の 真野[2]の草原(かやはら) 遠けども 面影にして 見ゆちふものを(396)
  • 奥山の 磐本菅(いはもとすげ)を 根深めて 結びし心 忘れかねつも(397)

巻四(相聞)

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--笠女郎が大伴宿禰家持に贈れる歌廿四首

  • 我が形見 見つつ偲はせ 荒玉の 年の緒長く 我も偲はむ(587)
  • 白鳥の 飛羽(とば)山松の 待ちつつぞ 吾(あ)が恋ひ渡る この月ごろを(588)
  • 衣手を 折り廻(た)む里に ある吾を 知らずぞ人は 待てど来ずける(589)
  • あら玉の 年の経ぬれば 今しはと ゆめよ我が背子 我が名告(の)らすな(590)
  • 我が思ひを 人に知らせや 玉くしげ 開きあけつと 夢(いめ)にし見ゆる(591)
  • 闇の夜に 鳴くなる鶴の 外(よそ)のみに 聞きつつかあらむ 逢ふとはなしに(592)
  • 君に恋ひ 甚(いた)もすべ無み 奈良山の 小松がもとに 立ち嘆くかも(593)
  • 我が屋戸(やと)の 夕蔭草の 白露の 消(け)ぬがにもとな 思ほゆるかも(594)
  • 我が命の 全(また)けむ限り 忘れめや いや日に異(け)には 思ひ増すとも(595)
  • 八百日(やほか)往く 浜の真砂も 吾が恋に あに勝らじか 沖つ島守(596)
  • うつせみの 人目を繁み 石橋の 間近き君に 恋ひ渡るかも(597)
  • 恋にもぞ 人は死にする 水無瀬(みなせ)河 下ゆ我痩す 月に日に異(け)に(598)
  • 朝霧の 鬱(おほ)に相見し 人故に 命死ぬべく 恋ひ渡るかも(599)
  • 伊勢の海の 磯もとどろに 寄する波 畏き人に 恋ひ渡るかも(600)
  • 心ゆも吾は 思(も)はざりき 山河も 隔たらなくに かく恋ひむとは(601)
  • 夕されば 物思(も)ひ増さる 見し人の 言問ふ姿 面影にして(602)
  • 思ふにし 死にするものに あらませば 千たびぞ我は 死に還らまし(603)
  • 剣太刀 身に取り添ふと 夢に見つ 何の徴(しるし)そも 君に逢はむため(604)
  • 天地(あめつち)の 神し理(ことわり) 無くばこそ 我が思(も)ふ君に 逢はず死にせめ(605)
  • 我も思ふ 人もな忘れ 多奈和丹 浦吹く風の やむ時無かれ(606)
  • 皆人を 寝よとの鐘は 打つなれど 君をし思(も)へば 寝(い)ねかてぬかも(607)
  • 相思はぬ 人を思ふは 大寺の 餓鬼の後(しりへ)に 額(ぬか)づくごとし(608)
  • 情(こころ)ゆも 我(あ)は 思(も)はざりき 又更に 我が故郷(ふるさと)に 還り来むとは(609)
  • 近くあれば 見ねどもあるを いや遠く 君がいまさば 有りかてましも(610)

巻八(相聞)

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--笠女郎が大伴家持に贈れる歌一首

  • 水鳥の 鴨の羽色の 春山の おほつかなくも 思ほゆるかも(1451)

--笠女郎が大伴宿禰家持に贈れる歌一首

  • 朝ごとに 見る我が屋戸の 撫子(なでしこ)が 花にも君は ありこせぬかも(1616)

作品の周辺

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森鷗外らが訳詩集『於母影』(1889年)を出すにあたって、396番歌を題名の典拠としたことはよく知られる。また、594番歌を本歌取りしたものに、

608番歌を本歌取りしたものに、

がある。

脚注

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  1. ^ 人や人の感情をものや出来事にたとえて詠んだ歌のこと。
  2. ^ 現在の福島県南相馬市真野地区。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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笠郎女
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