後見草
『後見草』（のちみぐさ）は、杉田玄白による江戸時代の書籍。玄白による警世の書で、天明7年（1787年）成立。上中下の3巻からなる[1]。
書名は古語にある「後見今亦猶今見古」から付けられた（「後見草序」[1][2]）。
上巻は明暦の大火について書かれた『明暦懲毖録』の再録で、中巻と下巻は宝暦10年（1760年）から天明7年の間に起きた天変地異や世相の転変が記載されている[1]。
幕藩体制の危機が表面化したこと[3]などの他、当時起きた事件についても書かれており、中巻には明和4年（1767年）の明和事件が[4]、下巻には何家もの大名家の屋敷に侵入した盗賊稲葉小僧や[5]、藤枝外記の心中事件も記載されている[6]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 岩本活東子編 『燕石十種』第2巻 中央公論社、1979年
- 大石慎三郎『田沼意次の時代』 岩波現代文庫 ISBN 4-00-600054-5、2001年
- 北島正元『日本の歴史 18 幕藩制の苦悶』 中公文庫 ISBN 4-12-204638-6、2006年
- 山下昌也『実録 江戸の悪党』 学研新書 ISBN 978-4-05-404580-4、2010年
- 『国史大辞典』第11巻 吉川弘文館 ISBN 4-642-00511-0、1990年
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