奥新川駅
奥新川駅 | |
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駅舎(2023年9月) | |
おくにっかわ Oku-Nikkawa | |
◄作並 (5.1 km) | |
所在地 | 仙台市青葉区新川字岳山1 |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
所属路線 | ■仙山線 |
キロ程 | 33.8 km(仙台起点) |
電報略号 | オク |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線[1] |
乗車人員 -統計年度- |
16人/日(降車客含まず) -2007年- |
開業年月日 | 1937年11月10日[1] |
備考 | |
奥新川駅(おくにっかわえき)は、宮城県仙台市青葉区新川字
歴史
[編集]江戸時代に開山したと言われる銅鉱山の新川鉱山が[2]、大正初期に秋保鉱山として開発され[2]、近接する当地には小学校・病院・飲食店も備えた、戸数200戸、人口600人の新川集落が形成された[3]。
1936年(昭和11年)に仙台営林署が生産事業所を設け、木材輸送のために当駅付近を起点とする新川森林鉄道を開通させた[4]。翌1937年(昭和12年)に、仙台から延伸して来た仙山東線と、山形から延伸して来た仙山西線が接続され、仙山線として全通した。この際に開通した区間の宮城県側最西端の駅として、当駅は開設した。仙山線建設中は千数百人の工事作業員が働いていたため、当地は工事集落として賑わったものの、鉄道開通と共に作業員は減少した[3]。
1960年(昭和35年)に新川森林鉄道が廃止され[4]、1961年(昭和36年)には秋保鉱山が閉山した[2]。これらの影響で、1960年代末には主に国鉄職員が住む、人口約300人の鉄道関係者の集落に変化した[5]。
一方で、1960年代初頭にはハイキングコースの「新川ライン」及び「奥新川ライン」を国鉄が整備して観光地化が進められ、ハイキング・芋煮会[6]・紅葉狩り等での駅利用者が増えた[3]。しかし、駅周辺人口は減少し続け、1985年(昭和60年)に当駅は無人駅化された。
2017年(平成29年)時点における奥新川地区の住民は、3世帯3人であった[新聞 1]。
駅から徒歩1分の場所にあり、年間1,000人程が利用していた市営の奥新川キャンプ場(営業期間:4 - 11月[7])は、老朽化を理由に2016年11月に営業を終了した[新聞 1]。また「新川ライン」及び「奥新川ライン」も安全上の理由により、「奥新川ライン」の南沢A橋手前までを除いて2020年(令和2年)12月に廃止されている[8]。
年表
[編集]- 1936年(昭和11年):当駅付近を起点とする新川森林鉄道(約5.1 km)が開通[4]。
- 1937年(昭和12年)11月10日:鉄道省仙山線の駅として開設[1](名取郡秋保村)。
- 1960年(昭和35年):新川森林鉄道廃止[4]。
- 1961年(昭和36年):日本国有鉄道がハイキングコース「新川ライン」(5.4 km)を新設。
- 1963年(昭和38年):日本国有鉄道がハイキングコース「奥新川ライン」(3.6 km)を新設。
- 1971年(昭和46年)4月1日:貨物取扱廃止[9]。出改札業務を廃止して旅客の取り扱いについては駅員無配置駅となり[10]、運転要員のみ配置[11]。
- 1985年(昭和60年)3月14日:無人駅化。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR東日本に移管[12]。
- 2015年(平成27年)3月14日:ダイヤ改正で一部停車していた快速列車の通過が発表され、以後、快速は全て通過するようになった。
- 2020年(令和2年)
- 2022年(令和4年)
- 2023年(令和5年)3月18日:普通列車の一部列車が通年当駅通過となる[報道 3]。
駅構造
[編集]相対式ホーム2面2線を有する地上駅である[1]。両ホームは羽前千歳方の構内踏切で連絡している。
仙台地区センター管理の無人駅[1]。乗車駅証明書発行機が設置されている。JRの特定都区市内制度における「仙台市内」に含まれる。
のりば
[編集]番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■仙山線 | 上り | 仙台方面 |
2 | 下り | 山寺・山形方面 |
(出典:JR東日本:駅構内図)
- 1番線は上下双方に場内・出発信号が設置されており、列車交換が無い場合に下り列車が使用する場合がある。
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駅舎内(2023年9月)
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ホーム(2023年9月)
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構内踏切(2023年9月)
利用状況
[編集]駅開業の頃から1950年代末まで、仙台営林署が木材を伐採して送り出した。2007年度の1日平均乗車人員は16人であった。なお冬季の利用者は、ほぼ0に近い。
乗車人員等推移[13] | |||
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年度 | 1日平均乗車人員 | 貨物発 | 貨物着 |
1957 | 190 | 6.7 | 2.9 |
1960 | 192 | 2.3 | 4.9 |
1970 | 78 | ||
1980 | 31 | ||
1999 | 26 | ||
2000 | 15 | ||
2001 | 15 | ||
2002 | 14 | ||
2003 | 21 | ||
2004 | 20 | ||
2005 | 19 | ||
2006 | 20 | ||
2007 | 16 |
駅周辺
[編集]駅は奥羽山脈の山間に位置し、新川川に面する。駅周辺に集落は無い。上記の通り、奥新川キャンプ場は封鎖、ハイキングコースの奥新川・新川ラインは一部を除き廃止されている。
冬は積雪のため付近の道路通行が困難なので、駅周辺を担当する郵便配達員(現在は愛子郵便局。2007年までは作並郵便局)は鉄道を利用して郵便物の集配を行っている。
Suica運賃計算特例
[編集]当駅はSuicaの利用はできないが、山寺駅もしくはかみのやま温泉駅 - 村山駅・寒河江駅間の各駅からSuica改札機で入場し、仙台市内発の乗車券類と併用して仙台駅の新幹線乗換改札口の自動改札機を通過する場合のみ、前述の発駅から当駅までのIC運賃が自動的に差し引かれる。
隣の駅
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g 『週刊 JR全駅・全車両基地』 23号 盛岡駅・平泉駅・山寺駅ほか74駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年1月20日、26頁。
- ^ a b c “日曜地学の会「秋保鉱山」”. Sphinx Broadcasting Station (1996年9月29日). 2022年8月15日閲覧。
- ^ a b c “みやぎ会 平成21年春号 (vol.13)”. 東北地域づくり協会. 2022年8月15日閲覧。
- ^ a b c d 『仙台市史 通史編8 現代1』 P.354 - P.357
- ^ 『宮城町誌』本編702-703頁、改訂版本編も同頁。
- ^ “私の広瀬川インタビューvol.16 東北大学加齢医学研究所教授 川島隆太さん「第2回 ハードでタフな芋煮会の思い出」”. 仙台市「広瀬川ホームページ」 (2010年7月29日). 2022年8月15日閲覧。
- ^ “奥新川キャンプ場 作並温泉近くの森林に囲まれたアウトドアエリア”. 公益社団法人 宮城県観光連盟. 2017年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月15日閲覧。
- ^ a b “奥新川ライン・新川ラインの廃止について”. 仙台市ホームページ (2020年12月1日). 2022年8月15日閲覧。
- ^ “日本国有鉄道公示第135号”. 官報. (1971年3月30日)
- ^ 「通報 ●仙山線陸前落合駅ほか3駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1971年3月30日、7面。
- ^ 「国鉄各線で営業近代化」『交通新聞』交通協力会、1971年1月31日、1面。
- ^ 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、475頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 1957年から1964年までは『宮城町誌』本編704頁。
報道発表資料
[編集]- ^ a b 『仙山線 奥新川駅および面白山高原駅における一部列車の通過について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道仙台支社、2021年12月15日。オリジナルの2021年12月15日時点におけるアーカイブ 。2021年12月15日閲覧。
- ^ 『冬期期間における仙山線の一部列車通過について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道東北本部、2022年11月15日。オリジナルの2022年11月15日時点におけるアーカイブ 。2022年11月20日閲覧。
- ^ 『2023年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道東北本部、2022年12月16日 。2022年12月27日閲覧。
新聞記事
[編集]- ^ a b “仙山交流の拠点に 奥新川自然振興会発足”. 河北新報 (2017年3月30日). 2017年3月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月15日閲覧。
参考文献
[編集]- 宮城町誌編纂委員会『宮城町誌』本編、宮城町役場、1969年。仙台市「宮城町誌」改訂版編纂委員会による改訂版は仙台市役所により1988年発行。
関連項目
[編集]- 秘境駅
- 日本の都道府県の東西南北端の駅の一覧
- 中山平温泉駅:宮城県内から山形県へ抜ける陸羽東線における、宮城県内の最西端の駅。
外部リンク
[編集]- 駅の情報(奥新川駅):JR東日本
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