メゾソプラノ
メゾソプラノ(伊 mezzosoprano)は、女声歌手で、概ね合唱ではA3~F5、ソロや他パートとのユニゾンではF3~A5くらいの声域をもつ。略してメゾとも言う。
概要
メゾソプラノは一般にソプラノよりも暗めの声質をもち、声域はソプラノとコントラルトの中間にくる。メゾ(mezzo、正しくは「メッゾ ([mɛddzo])[1]」と発音される)とはイタリア語で「中間」(mid- )の意味である。
オペラでは、メゾソプラノは必ずしも声域の高低だけではなく、声の質が重要である。ロッシーニの『セビリアの理髪師』のロジーナや『チェネレントラ(シンデレラ)』のアンジェリーナのように、ソプラノ歌手並みの高音のコロラトゥーラ技法を要求されるレパートリーもあり、これらの役割を歌う歌手はやや軽い声を持つ。一方、ヴェルディのオペラの役柄、例えば『トロヴァトーレ』のアズチェーナや『ドン・カルロ』のエボリ姫などでは、よりドラマティックで力強い声質が要求される。
モーツァルトやグルックなど18世紀以前のオペラでは、カストラートのために書かれた役柄があるが、今日ではメゾソプラノが歌うのが普通である。また、カストラートが衰退した後も、あえて若い男性の役にメゾソプラノの歌手を指定する例もある(ズボン役と呼ばれる)。この場合、女性歌手が男装して歌うことになり、中性的な独特の効果を生む。
メゾソプラノが主役となるオペラはビゼー『カルメン』が最も有名であり、他にサン=サーンスの『サムソンとデリラ』などの例がある。
メゾソプラノに分類される歌手の例
日本以外
- あ行
- ケイト・アルドリッチ
- アストリッド・ヴァルナイ
- シャーリー・ヴァーレット(Shirley Verrett)
- ルチア・ヴァレンティーニ=テッラーニ(Lucia Valentini-Terrani)
- ルクレティア・ウェスト
- ロザリンド・エリアス
- バルブロ・エリクソン
- アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
- エレナ・オブラスツォワ(Elena Obraztsova)
- か行
- ヴェッセリーナ・カサロヴァ
- ブルーナ・カスターニャ
- エリーナ・ガランチャ
- ポーリーヌ・ガルシア=ヴィアルド
- アンゲリカ・キルヒシュラーガー
- デニス・グレイヴズ
- クレール・クロワザ
- エレナ・ゲルハルト
- マグダレーナ・コジェナー
- フィオレンツァ・コッソット
- さ行
- た行
- ピア・タシナーリ
- アイリーン・ダリス
- ジョイス・ディ・ドナート(Joyce Di Donato)
- ルチアーナ・ディンティーノ(Luciana D'Intino)
- ジャン・デガエターニ
- ジェニー・トゥーレル
- タティアーナ・トロヤノス
- な行
- ミリヤーナ・ニコリッチ(Milijana Nikolic)
- は行
- ジャーヌ・バトリ
- キャシー・バーベリアン
- アグネス・バルツァ
- ダニエラ・バルチェッローナ(Daniela Barcellona)
- チェチーリア・バルトリ
- フェードラ・バルビエーリ(Fedora Barbieri)
- グレース・バンブリー(Grace Bumbry)
- リタ・フォード
- ブリギッテ・ファスベンダー(Brigitte Fassbaender)
- ジャネット・ベイカー
- テレサ・ベルガンサ
- マリリン・ホーン
- ま行
- や行
- ら行
- ジェニファー・ラーモア
- アンナ・ラルソン
- マルヤーナ・リポフシェク
- クリスタ・ルートヴィヒ
- キャサリン・ロビン
日本
他の声域
脚注
関連項目
Text is available under the CC BY-SA 4.0 license; additional terms may apply.
Images, videos and audio are available under their respective licenses.