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マタイ

聖マタイ
使徒、福音書記者
崇敬する教派 カトリック教会非カルケドン派正教会聖公会ルーテル教会
記念日 9月21日(カトリック教会)
10月9日(コプト教会
11月16日(東方教会[1]
守護対象 金融・税務関係者、出版業者、飲酒常習者[1]
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マタイ[2]は、新約聖書福音書に登場する人物でイエス・キリスト十二使徒の1人。マタイはヘブライ語系の名前で、新約聖書原文のギリシア語表記はマタイオス (Μαθθαῖος, Maththaios) である。日本語ではマテオマトフェイとも表記する。聖書によればイエスの弟子となる以前は徴税人(en)であった。キリスト教会では伝統的に新約聖書所収の『マタイによる福音書』の著者・記者とみなして来たが、近代以降の聖書学では使徒マタイと福音書記者マタイは別人であるとする説が有力である[3][4]

マタイは後に東方諸教会正教会カトリック教会聖公会ルーテル教会聖人とされた。

各国語での表記

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ラテン語ではマタエウス (Matthaeus)、フランス語ではマテュー (Matthieu)、英語ではマシュー (Matthew)、ドイツ語ではマテウス (Matthäus)、ロシア語ではマトフェイ (Матфей) 、アラビア語ではマッター(مَتَّى, Mattā)[5]となる。日本語では「マタイ」という表記と共に、まれにイタリア語に由来する「マテオ」(Matteo) という表記が用いられることがある。日本のカトリック教会でも「マテオ」という表記が用いられていたがこれはラテン語に基づく[6]。Matthaeusの奪格型Mattaeoを教会式発音によってカナ転写したものである。日本ハリストス正教会ではロシア語に由来する「マトフェイ」という表記を用いる。

生涯

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聖マタイの召命カラヴァッジオ)1592年 - 1602年頃 サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂(ローマ)

『マタイによる福音書』9:9によればローマ帝国徴税人であったが、イエスの召命に応えて弟子となったとされる。『マルコによる福音書』2:13以下と『ルカによる福音書』5:27以下では同じような記述がみられるが、呼ばれた弟子の名前は「アルファイの子レビ」または「レビ」となっている。このため、伝統的にはマタイとレビ(レヴィ)は同一人物をさすと解釈されてきた。イエスの弟子となったときの記事を除けば、聖書はマタイの言動を伝えていない。ただし『使徒言行録』にはキリストの昇天後に第1章13節で名前を列挙された使徒11人の一人としてマタイの名前があり、他に「十一人」と表現されている第1章26節と第2章14節でマタイの存在が知られる。

マタイに関して新約聖書以外に種々の伝承があるが史実は不明である[3]。キリスト教会ではマタイが殉教したとして聖人として崇敬しているが、2世紀の著名な神学者アレクサンドリアのクレメンスはその死は殉教ではないと伝えている[7]。マタイが宣教した地域についても伝承によってエチオピアパルティアペルシアと異なった説がある[7]。なお、アレクサンドリアのクレメンスは、マタイが宣教師としてパレスチナの地を離れたのはイエスの刑死の12年後と伝えている[7]

福音書記者マタイについて

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福音書記者聖マタイと天使(グイド・レーニ、1620年)

新約聖書』所収の四福音書のうち『共観福音書』3書は本文中に記者の名前が無く、マタイ、マルコ、ルカという各記者の名は2世紀になって現れるもので[8]、誰が書いたかは不明である。キリスト教会では古代以来伝統的に『マタイによる福音書』の記者は使徒マタイとみなして来た。ヒエラポリスの教会の主教パピアス英語版の2世紀の言葉「マタイはヘブライ語で言葉(タ ロギヤ)を編纂した。しかし各人が可能なように翻訳した」が「教会史の父」4世紀のエウセビオスによって伝えられている[9]。しかし近代以降の聖書学では使徒マタイと福音書記者マタイは別人であるとする説が有力である[3][4]。マタイという名はアラム語起源のもので、使徒マタイが初期教団内のヘブライズムの中心人物のひとりであったことが福音書記者伝承に反映された可能性が示唆される[要出典]。一方で現代のキリスト教会内で聖書信仰福音派など、使徒マタイが『マタイによる福音書』の記者であると理解している[10]立場もある。

美術作品におけるマタイ

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マタイを描いた美術作品では特にカラヴァッジオのものが著名である。

マタイはしばしば天使と共に描かれる。これは『エゼキエル書』第1章に登場する生き物の持つ4つの顔である天使(翼がある人間)、獅子、雄牛、鷲をそれぞれ各福音書記者アトリビュート(持ち物)としたキリスト教の伝統によっている。なお獅子はマルコ、雄牛はルカ、鷲はヨハネのアトリビュートである[11]。マタイのアトリビュートとしては天使の他に財布、福音書、ゆりかごの中の嬰児、槍、斧がある[11]

正教会ではイコノスタシスイコンを掲げる衝立て)の「王門」または「美しの門」と呼ばれる開口部の扉にマタイを含む福音書記者のイコンを掛ける[12]

脚注

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  1. ^ a b 清水宏「マタイ」『新カトリック大事典研究社Online Dictionary. 2021年6月30日閲覧。
  2. ^ ヤハウェの賜物」という意味(塚本虎二「解説」『福音書』岩波文庫岩波書店、1963年、406頁。ただし「ヤーウェの賜物」と表記されている)。
  3. ^ a b c 土屋博マタイ」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館コトバンク。2021年6月29日閲覧。
  4. ^ a b 土屋博「マタイ伝福音書」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館、コトバンク。2021年6月29日閲覧。
  5. ^ المعاني : معاني الأسماء - متى”. 2024年3月8日閲覧。
  6. ^ ヨセフ・ハヤールほか『キリスト教史 11 現代に生きる教会』平凡社ライブラリー、1997年、431頁。ISBN 4-582-76209-3
  7. ^ a b c マタイ」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』コトバンク。2021年6月29日閲覧。
  8. ^ 高柳俊一「イエス・キリスト」【生涯の資料】〔新約聖書〕『新カトリック大事典KOD. 2021年10月29日閲覧。
  9. ^ 塚本虎二「解説」『福音書』岩波文庫、405頁。「言葉(タ ロギヤ)」はイエスの言葉の意味。
  10. ^ 尾山令仁『聖書の概説』羊群社
  11. ^ a b 高橋裕子「アトリビュート」「聖人とそのアトリビュート〔表〕」『新カトリック大事典』研究社Online Dictionary. 2021年6月30日閲覧。
  12. ^ 高橋榮一「イコン」「図-イコノスタシスの標準的なイコン配置例」『改訂新版 世界大百科事典平凡社、コトバンク。2024年6月10日閲覧。

関連項目

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マタイ
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