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ジェームズ・マクニール・ホイッスラー

『自画像』1872年頃 デトロイト美術館
『白のシンフォニー第1番-白の少女』1862年 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
『青と金のノクターン-オールド・バターシー・ブリッジ』1872-75年頃 テート・ギャラリー
『灰色と黒のアレンジメント-母の肖像』1871年 オルセー美術館
『黒と金色のノクターン-落下する花火』1875年 デトロイト美術館

ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラーJames Abbott McNeill Whistler, 1834年7月11日 - 1903年7月17日)は、アメリカ合衆国の19世紀後半の画家、版画家。おもにロンドンで活動した。印象派の画家たちと同世代であるが、その色調や画面構成などには浮世絵をはじめとする日本美術の影響が濃く、印象派とも伝統的アカデミズムとも一線を画した独自の絵画世界を展開した。

生涯

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ホイッスラーは、1834年にアメリカ合衆国マサチューセッツ州ローウェルに土木技師の子として生まれた。アメリカ人であるが、パリで美術を学び、画家としての生涯の大半をロンドンとパリで過ごしている。

ホイッスラーは、土木技師であった父が鉄道建設の仕事のためロシアに移住するのに従い、1842年(1843年とも)からの数年間をロシアのサンクトペテルブルクで過ごし、その後、ロンドンやブリストルにも住んだ。1851年にはアメリカに戻ってウェストポイント陸軍士官学校に入るが1854年に中退(正確には放校処分。化学の成績が悪かったからとも。なお、士官学校には父親が製図の教官として勤めていた)。1年間ほどワシントンD.C.で地形図の銅版画工として働いた後、1855年にはパリに居を構えている。

パリでは当時のリアリズムの巨匠であったシャルル・グレールのアトリエに通うが、その伝統的な画風にあきたらず、当時の革新的な画家であったギュスターヴ・クールベに強い共感を覚えた。パリでは画家のアンリ・ファンタン=ラトゥール(1836 - 1904)、アルフォンス・ルグロ(1837 - 1911)と「三人会」を結成している。

数年後の1859年にはロンドンにもアトリエを構え,ロセッティ兄妹と知り合った。以後、ロンドンとパリを往復しつつ制作活動を続け、1860年からはロンドンのロイヤル・アカデミーに出品している。ホイッスラーは1862年にロンドンの展覧会に出品し、翌1863年にはパリの「落選展」に出品された、当時恋人だったジョアンナ・ヒファーナンをモデルにした『白の少女』(ホワイト・ガール)で一躍注目を集めた。この作品では、モデルの少女の白いドレス、手にしている白い花、背景の白いカーテン、足下の白い敷物など、さまざまな白の色調が対比され、人物の内面描写よりも色彩のハーモニーを表現すること自体が絵画の目的となっている。この頃から彼の作品には「シンフォニー」「ノクターン」などの音楽用語を用いた題名が付されることが多くなった。

1876年から翌年にかけては、パトロンであった富豪レイランドのロンドンの邸宅の室内装飾を手がけた。壁面に孔雀を大きく描いた食堂の内装は、のちに部屋ごとワシントンDCのフリア・ギャラリーに移されている。1879~80年はヴェネツィアで過ごしたが再びロンドンに戻り、1886年にはイギリス美術家協会会長に任命されるなど、名実ともにイギリス画壇の中心人物となった。1903年にロンドンで没している。

作風

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リトティントで描かれた「ノクターン英語版:バタシーテムズ川」1878年

耽美主義の代表的画家とも目されるホイッスラーの絵画は、現実世界を二次元平面に再現することよりも、色彩と形態の組み合わせによって調和のとれた画面を構成することを重視していた。作品の題名に「シンフォニー」「ノクターン」「アレンジメント」などの音楽用語を多用することも、絵画は現実世界の再現ではなく、色彩と形態から成る自律的な芸術だとする彼の姿勢の反映といえよう。こうした彼の絵画に対する考えは、印象派やセザンヌなどに通じるものだが、ホイッスラーの用いる色彩は地味で、モノトーンに近い作品も多く、光と色彩の効果を追い求めた印象派の作風とは一線を画している。イギリスでは1862年ロンドン万国博覧会以来、日本の美術工芸品が紹介されており、上述のようなホイッスラーの作風にも浮世絵などの日本美術の影響が指摘されている。64年にはジャポニスムによる作品を試み、日本の落款のような蝶のサインを使った。68年になると浮世絵の意匠を借用した『肌色(はだいろ)と緑のバリエーション=バルコニー』を制作。

ホイッスラーの代表作の1つである『青と金のノクターン-オールド・バターシー・ブリッジ』は、ロンドンのテムズ川に架かる平凡な橋を描いたものだが、橋全体のごく一部を下から見上げるように描いた風変わりな構図、単色に近い色彩、水墨画のような、にじんだ輪郭線などに日本美術の影響が感じられる。

1877年にロンドンのグローヴナー・ギャラリーにホイッスラーが出品した『黒と金色のノクターン-落下する花火』は、ほとんど抽象絵画を思わせるまでに単純化された作品であった。同時代の批評家で、ラファエル前派などの新しい芸術運動の理解者であったジョン・ラスキンもこの作品は理解ができず、「まるで絵具壷の中味をぶちまけたようだ」と酷評した。このため、ホイッスラーは名誉毀損でラスキンを訴えるに至る[1]。ホイッスラーは訴訟に勝ちはしたものの、多額の訴訟費用を支払うために自邸を売却するはめになった。

代表作

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日本での画集

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  • 『ファブリ世界名画集 88 ジェームズ・ホイッスラー』田中英道 解説 平凡社 1973
  • 『ファブリ研秀世界美術全集 10 マネ,モネ,ホイッスラー』黒江光彦 研秀出版 1976
  • 『ホイッスラー』フランシス・スポールディング 吉川節子訳 西村書店 アート・ライブラリー 1997

脚注

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  1. ^ NHK『迷宮美術館』制作チーム『NHK『迷宮美術館』巨匠の言葉 この「一枚の絵」は何を語っている?』三笠書房、2009年、94頁。ISBN 978-4-8379-2342-8 

関連項目

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  • ビーン (映画) - ホイッスラーの「灰色と黒のアレンジメント―母の肖像」が登場。ビーンのミスによって汚損されてしまい、証拠隠滅の為に細工したレプリカのポスターとすり変えられてしまう。
  • モーティマー・メンペス - 弟子

外部リンク

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