ベルリン地下鉄（ドイツ語: U-Bahn Berlin ウーバーン・ベアリーン）は、ドイツの首都ベルリンを走行する地下鉄（Uバーン）。

1902年2月15日開業。現在、9路線、174駅、総延長は約149kmである。全駅がベルリン市内にある（U5の ヘーノウ駅（ドイツ語版）はブランデンブルク州の地名を駅名としているが、駅舎や線路など鉄道関連施設はすべてベルリン市内にある）。ベルリン市交通局（ドイツ語版）(BVG)が運営している。路線名は番号によって表され、たとえば「U1」はU-Bahnlinie 1、すなわち地下鉄1号線を表す。

ベルリンが東西に分断されていた冷戦時代には地下鉄の路線も分断されたり、一部の駅が閉鎖されるなどしていた。

ドイツの再統一後は路線の再建が進められ、現在は元の水準を取り戻している。なおベルリンU-Bahnではすべての路線が第三軌条方式により750Vで直流電化されている。

路線名	区間	開通年	路線距離	駅数
	ウーラントシュトラーセ駅（ドイツ語版） ←→ ヴァルシャウアー・シュトラーセ駅（ドイツ語版）	1902年 - 1926年	8.81 km	13
	パンコウ駅（ドイツ語版） ←→ ルーレーベン駅（ドイツ語版）	1902年 - 2000年	20.39 km	29
	ヴァルシャウアー・シュトラーセ駅 ←→ クルメ・ランケ駅（ドイツ語版）	1913年 - 1929年	18.9 km	24
	ノレンドルフプラッツ駅（ドイツ語版） ←→ インスブルッカー・プラッツ駅（ドイツ語版）	1910年	2.86 km	5
	ベルリン中央駅 ←→ ヘーノウ駅（ドイツ語版）	1930年 - 2020年	22.4 km	26
	アルト＝テーゲル駅（ドイツ語版） ←→ アルト＝マリーエンドルフ駅（ドイツ語版）	1923年 - 1966年	19.88 km	29
	ラートハウス・シュパンダウ駅（ドイツ語版） ←→ ルードウ駅（ドイツ語版）	1924年 - 1984年	31.76 km	40
	ヴィテナウ駅（ドイツ語版） ←→ ヘルマンシュトラーセ駅（ドイツ語版）	1927年 - 1996年	18.04 km	24
	ラートハウス・シュテーグリッツ駅（ドイツ語版）←→ オスロアー・シュトラーセ駅（ドイツ語版）	1961年 - 1976年	12.52 km	18

ベルリンに地下鉄を敷設する計画は19世紀末には存在した。 1902年2月にポツダマー・プラッツ駅―シュトラーラウアー・トーア駅（ドイツ語版）駅間で開業し、同年末には ヴァルシャウアー・シュトラーセ駅（ドイツ語版）―クニー駅（ドイツ語版）駅間およびポツダマー・プラッツ駅への支線が開通した。当時の開通区間は現在のU1号線のヴァルシャウアー・シュトラーセ駅―メッケルンブリュッケ駅（ドイツ語版）、およびU2号線のポツダマー・プラッツ駅―エルンスト＝ロイター＝プラッツ駅（ドイツ語版）間に当たる。メッケルンブリュッケ駅―ポツダマー・プラッツ駅間およびメッケルンブリュッケ駅―ビューロウシュトラーセ駅（ドイツ語版）間の区間は、その後の路線変更により現在は使われていない。ドイツ初の地下鉄ではあるが、ツォーローギシャー・ガルテン駅付近およびポツダマー・プラッツ駅を除き高架線であった。その後、第一次世界大戦前の1913年までにツォーローギシャー・ガルテン駅から西方のシュターディオン駅（ドイツ語版）へ、途中から南西のティールプラッツ駅（ドイツ語版）へ、ポツダム広場から市街中心を通り北東のシュピッテルマルクト駅（ドイツ語版）へ順次路線が延長された。

第一次大戦後、市域の拡大（いわゆる「大ベルリン」）にともない、新規地下鉄路線が計画された。市街中心を南北に貫くこの路線は、1930年に電機メーカーのAEGの手でゲズントブルンネン駅―アレクサンダープラッツ駅―ライネシュトラーセ駅（ドイツ語版）（ノイケルン区）まで開業した。現在はU8号線の一部となっている。それまでの路線と規格を異にし、車輛が大型化されている。

ベルリン市街戦によって地下鉄も甚大な被害を受けたものの、1950年までに復旧を完了し69.5km、93駅での営業にこぎつけた。しかし、連合国によるベルリンの分割占領と、それに続く東西ベルリンの分裂は地下鉄の運行にも影を落とし、境界線上では警笛を鳴らして運行せざるを得なかった。

戦後も路線の延伸は続けられ、1953年―1955年にかけて総延長200kmを目指す延伸工事が着手された。手始めに1958年5月31日までにC号線（現在のU6号線）は、既存のテンペルホーフ駅（ドイツ語版）からゼーシュトラーセ駅（ドイツ語版）までの区間を、アルト＝テーゲル駅（ドイツ語版）まで延伸した。 また西ベルリンの南北を東ベルリンを避けて結ぶ路線としてG号線（現在のU9号線）が着工された。なお1961年の開業を目前にベルリンの壁が建設され、開業が繰上げられた経緯がある。

壁の構築後は、東西ベルリンを行き交う運行は完全に停止し（ベルリンの壁#国境封鎖そして有刺鉄線）、A号線が東西に分断・一部区間が運休に追い込まれた。但しC号線とD号線については（西ベルリン当局が東ドイツ政府に2000万マルクを支払って）東ベルリン内での通行が認められ、唯一フリードリヒシュトラーセ駅でのみ（東ドイツ当局の認可した範囲内で）同駅で接続するSバーンとの乗り換えに限って客扱いを認めることになり、残りの東ベルリン内の駅は通過扱いとなった（幽霊駅）。

壁崩落後、分断区間を解消する工事が行われ、統一された。また、通過扱いとなっていた「幽霊駅」についても営業が再開されている。

ベルリン地下鉄では主に初期の路線（U1-U4）で採用された小型車体と、比較的新しい路線（U5-U9）で採用された大型車体の2種類の車両がある。詳しくはベルリン地下鉄の車両を参照のこと。

ベルリン地下鉄ではベルリン＝ブランデンブルク交通連合（ドイツ語版）（VBB：Verkehrsverbund Berlin-Brandenburg）の共通料金システムを採用している。そのため地下鉄、Sバーン、近郊電車、トラム、バス（ドイツ語版）、 フェリー（ドイツ語版）は、追加の初乗運賃なしで乗り換えが可能である（ただし短距離券の扱いは異なる）。

• 地下鉄
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ウィキメディア・コモンズには、ベルリン地下鉄に関連するメディアがあります。

• ベルリン市交通局公式サイト （ドイツ語）（英語）

表 話 編 歴 ドイツの都市公共交通機関
通勤鉄道(Sバーン)	エアフルト（ドイツ語版、英語版）1 オッフェンブルク（ドイツ語版、英語版） カールスルーエ ケルン シュトゥットガルト 中部ドイツ ドナウ＝イラー ドレスデン ニュルンベルク ハノーファー ハンブルク ベルリン ブライスガウ ブレーメン マクデブルク（ドイツ語版、英語版） ミュンヘン ライン＝マイン ライン＝ネッカー ライン＝ルール ロストック
地下鉄(Uバーン)	ベルリン フランクフルト ハンブルク ミュンヘン ニュルンベルク
シュタットバーン トラムトレイン	ビーレフェルト ボーフム ボン ケムニッツ3 ケルン ドルトムント デュースブルク（ドイツ語版、英語版） デュッセルドルフ エアフルト エッセン（ドイツ語版、英語版） ゲルゼンキルヒェン ハノーファー カールスルーエ3 カッセル3 ザールブリュッケン3 ノルトハウゼン3 シュトゥットガルト ツヴィッカウ3
路面電車	アーヘン（ドイツ語版、英語版）2 アウクスブルク バート・シャンダウ ベルリン 郊外：シェーンアイヘ・バイ・ベルリン ヴォルタースドルフ ボーフム ボン ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル ブラウンシュヴァイク ブレーメン ケムニッツ ケルン コトブス ダルムシュタット デッサウ デーベルン（ドイツ語版、英語版） ドレスデン デュースブルク（ドイツ語版、英語版） デュッセルドルフ（ドイツ語版、英語版） エアフルト エッセン（ドイツ語版、英語版） フランクフルト・アム・マイン フランクフルト (オーダー) フライブルク（ドイツ語版、英語版） ゲルゼンキルヒェン ゲーラ ゲルリッツ ゴータ ハルバーシュタット ハレ ハンブルク2 ハノーファー ハイデルベルク（ドイツ語版、英語版） ハイルブロン（ドイツ語版、英語版） イェーナ カールスルーエ（ドイツ語版、英語版） カッセル キール2 クレーフェルト（ドイツ語版、英語版） ライプツィヒ ルートヴィヒスハーフェン（ドイツ語版、英語版） マクデブルク マンハイム（ドイツ語版、英語版） メルゼブルク ミュールハイム ミュンヘン マインツ ミュンスター（ドイツ語版、英語版）2 ナウムブルク ニュルンベルク ノルトハウゼン オーバーハウゼン プラウエン ポツダム レーゲンスブルク2 ロストック ザールブリュッケン シュヴェリーン シュトラウスベルク シュトゥットガルト ウルム ヴァイル・アム・ライン ヴッパータール（ドイツ語版、英語版）2 ヴュルツブルク ツヴィッカウ
トロリーバス	エーベルスヴァルデ エスリンゲン・アム・ネッカー ゾーリンゲン
その他	バート・シャンダウ・エレベーター 空中鉄道ドレスデン ヴッパータール空中鉄道
^1 廃止されたSバーン ^2 廃止された路面電車路線 ^3 トラムトレイン