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ヌクレオソーム

クロマチン構造の基本的単位

ヌクレオソームnucleosome)は、真核生物におけるDNAのパッケージングの基本的単位であり、クロマチンの基本要素である。ヌクレオソームは、ヒストン八量体 (histone octamer) とその周囲に巻きついたDNAから構成される[1]。ヒストン八量体はヒストンH2AH2BH3H4各2コピーずつから成る。

より正確には、ヌクレオソームは、ヌクレオソームコア粒子 (nucleosome core particle) とリンカーDNA (linker DNA) から構成される。ヌクレオソームコア粒子とは、ヒストン八量体の周囲を約146 bpのDNAが左巻きに1.67周分巻いて形成される構造であり[2]、それぞれのコア粒子は最長で約80 bpのリンカーDNAによって連結されている。ヌクレオソームという用語はしばしばコア粒子と同義に用いられることも多いが、正確には両者を区別すべきである[3]

ヌクレオソーム構造は、1974年にDon OlinsとAda Olinsによって電子顕微鏡を用いて初めて観察された[4]。ヒストン八量体と200 bp DNAから成るヌクレオソームの基本構造モデルは、ロジャー・コーンバーグ (Roger Kornberg) によって提唱された[5][6]。ヌクレオソームの遺伝子発現抑制への関与は、1987年にLorchらによってin vitro[7]、1988年にHanとマイケル・グルンスタイン (Michael Grunstein) によってin vivoで実証された[8]

ヌクレオソームは、コアヒストンの翻訳後修飾という形でエピジェネティックな遺伝情報を運ぶと考えられている。ゲノム中のヌクレオソームの位置はランダムではなく、各ヌクレオソームの位置によって調節タンパク質のDNAへのアクセシビリティが決定される[9]

真核生物のクロマチンは、ヌクレオソーム形成を基盤として、より複雑な構造へと折りたたまれ、細胞核内に収納される[10]。ヒトの各細胞には約3000万個のヌクレオソームが含まれている[11]。現在では、全ゲノムのヌクレオソームの位置マップがマウスの肝臓や脳など多くのモデル生物で利用可能である[12]

ほとんどの真核細胞とは対照的に、成熟した精細胞はゲノムDNAのパッケージングに主にプロタミンを利用する。これは、はるかに高いパッケージングを達成するためである可能性が高い[13]

古細菌でもヒストンに対応するものや単純なクロマチン構造が発見されており[14]、ヌクレオソームを利用する生物は真核生物だけではないことが示唆されている。

構造

ヌクレオソームコア粒子の構造

H2AH2BH3H4コアヒストンとDNAから構成されるヌクレオソームコア粒子。超らせん軸方向から。

概要

1980年代のAaron Klugのグループによる先駆的な構造研究により、ヒストンタンパク質八量体の周囲にDNAが左巻き超らせんで約1.7ターン巻き付いているという最初の証拠が得られた[15]。1997年には、ヌクレオソームの近原子分解能の結晶構造がRichmondのグループによって解かれ、粒子の最も重要な詳細が示された。この結晶構造を得るのに重要であったヒトαサテライト回文配列DNAは、オークリッジ国立研究所のBunickのグループによって開発されたものである[16][17][18][19][20]。これまでに20種類以上の異なるヌクレオソームコア粒子の構造が解かれており[21]ヒストンバリアントを含むものや異なる生物種のヒストンも含むものも含まれている。ヌクレオソームコア粒子の構造は顕著に保存されており、カエルと酵母のヒストンは100残基以上が異なるが、全体での二乗平均平方根誤差(RMSD)はわずか1.6 Åである[22]

ヌクレオソームコア粒子 (nucleosome core particle)

ヌクレオソームコア粒子には約146 bpのDNAが含まれ、ヒストンH2A、H2B、H3、H4各2コピーずつからなるヒストン八量体の周囲に左巻き超らせんで約1.67周分巻き付いている。隣接するヌクレオソームとは、リンカーDNAと呼ばれる拘束されていないDNAによって連結されている。リンカーDNAの長さは生物種や組織によって、10–80 bp程度と差がある[14]。ヌクレオソームコア粒子の全体構造は、直径11 nm、高さ 5.5 nmの円筒形である。

アポトーシスによるDNA断片化英語版。分解されたクロマチンが左のレーン、DNAマーカーが真ん中のレーンである。
ヌクレオソームの構成の模式図[23]
ヌクレオソームコア粒子の結晶構造PDB: 1EQZ[24][25]

ヌクレオソームコア粒子は、間期のクロマチンを部分的にほどく処理を行った際に観察される。電子顕微鏡によって得られた像は、ひもでつながったビーズ(beads-on-a-string)のような形状をしており、ひもがDNA、ビーズ1つ1つがヌクレオソームコア粒子である。ヌクレオソームコア粒子はDNAとヒストンタンパク質から構成される[26]

DNaseによるクロマチンの部分分解によって、ヌクレオソームの構造は明らかにされる。リンカー部分と比較してヌクレオソームコア粒子のDNAにはDNaseがアクセスしにくいため、DNAはヌクレオソーム間の距離の倍数に等しい長さの断片(180 bp、360 bp、540 bp、…)へと分解される。したがって、部分分解を行ったDNAのゲル電気泳動では、はしご(ラダー)状の非常に特徴的なパターンが観察される[23]。こうした分解はアポトーシス(プログラム細胞死)時など自然条件下でも生じる。

ヌクレオソーム内のタンパク質相互作用

コアヒストンタンパク質はヒストンフォールド英語版と呼ばれる特徴的な構造モチーフが含まれる。ヒストンフォールドは、2つのループ(L1–2)で隔てられた3本のαヘリックス(α1–3)から構成される。溶液中では、ヒストンタンパク質はH2A-H2Bヘテロ二量体とH3-H4ヘテロ四量体を形成する。ヒストンは長いα2ヘリックスを介して逆平行方向に二量体化する。さらに2つのH3-H4二量体は、H3どうしの広範囲にわたる相互作用によって安定化された4ヘリックスバンドルを形成する。H2A-H2B二量体は、H4-H2B間の相互作用によってH3-H4四量体に結合する。H4-H2B間の相互作用には疎水的クラスターの形成が含まれる[2]。ヒストン八量体は中心となるH3-H4四量体が2つのH2A-H2B二量体の間に挟まれることで形成される。4種類のコアヒストンすべてが高い塩基性を有するため、ヒストン八量体はDNAの存在下か高塩濃度条件下でのみ安定である。

ヒストン-DNA間相互作用

ヌクレオソームには120か所以上の直接的なタンパク質-DNA間相互作用と、数百か所の水分子を介した相互作用が含まれている[27]。直接的なタンパク質-DNA間相互作用は八量体の表面に均等に分布しているのではなく、特定の部位に局在している。これは、八量体内では2種類のDNA結合部位が形成されるためである。α1α1部位では2つの近接するヒストンタンパク質のα1ヘリックスが利用され、L1L2部位はL1とL2のループによって形成される。側鎖の塩基性官能基やヒドロキシル基、主鎖のアミドがDNA骨格のリン酸基と塩橋水素結合を形成し、DNAとの相互作用の大部分を担う。ヌクレオソームがゲノム上に遍在的に分布することを考えると、それが配列非特異的なDNA結合因子であることは重要である。ヌクレオソームは一部のDNA配列に対して選択性を示す傾向があるが[28]、実質的にはどのような配列にも結合することが可能である。これは水分子を介した相互作用の柔軟性のためであると考えられている。さらに、タンパク質の側鎖とデオキシリボースの間では非極性相互作用が形成され、DNAの副溝が八量体表面に面している14か所すべてでアルギニン側鎖がインターカレートしている。DNA結合部位の分布と結合強度はヌクレオソームコア内のDNAを変形させる。DNAの屈曲は一様ではなく、ねじれ欠陥(twist defect)を有する。溶液中のB型DNAではねじれは1ターンあたり10.5 bpである。しかし、ヌクレオソーム内のDNAの全体的なねじれは1ターンあたり10.2 bpであり、その値は9.4から10.9まで変動する。

ヒストンテールドメイン (histone tails)

ヒストンテールはヒストンの質量の最大30%を占るが、高度な柔軟性のためヌクレオソームの結晶構造では可視化されず、大部分は安定な構造を形成しないと考えられている[29]。ヒストンH3とH2BのN末端テールは2つのDNA鎖の副溝によって形成されるチャネルを通過し、20 bpごとにDNAから突出する。一方、ヒストンH4のN末端テールには高度に塩基性のアミノ酸が並んだ領域(16–25)が存在し、この領域は結晶構造中では他のヌクレオソームのH2A-H2B二量体の酸性表面領域との相互作用を形成しており、ヌクレオソームの高次構造の形成と関係している可能性がある。この相互作用は生理的条件下でも生じると考えられており、H4のテールのアセチル化はクロマチンの高次構造を歪めることが示唆される。

高次構造

現在のクロマチンの凝縮のモデル

ヒストンH1とそのアイソフォームなどのリンカーヒストンはクロマチンのコンパクト化に関与しており、これらはヌクレオソームのDNAの入口と出口の近傍に位置してリンカー領域のDNAと結合している[30]。リンカーヒストンを含まず凝縮していないヌクレオソームの電子顕微鏡像は、DNAのひもでつながったビーズ(beads-on-a-string)のような外見をしている[31]。より高次の構造についての理解は未だ進んでいない。

テトラヌクレオソーム(4ヌクレオソーム)の結晶構造が解かれ、それをもとに30 nm繊維の二条らせん(two-start helix)構造が提唱された[32]。このモデルは近年の電子顕微鏡データとは相容れず、いまだに一定の論争がある[33]。これ以上のクロマチンの構造についてはほとんど理解されていないが、古典的には、中心となるタンパク質の足場に沿って30 nmの繊維がループ状に配置され、転写活性のあるユークロマチンを形成すると考えられている。さらに圧縮されると、転写不活性なヘテロクロマチンとなる。

ダイナミクス

ヌクレオソームは非常に安定なタンパク質-DNA複合体であるが、静的な複合体ではなく、ヌクレオソームスライディング(nucleosome sliding)やDNA の自発的露出など、さまざまな構造的再構成が行われることが示されている。状況に依存して、ヌクレオソームは転写因子の結合を阻害したり促進したりする。ヌクレオソームの配置には3つの主要な要素の寄与によって制御されている。1つ目に、ヒストン八量体の結合親和性はDNA配列に依存する。2つ目に、ヌクレオソームは他のタンパク質因子の競合的結合によって除去されたり、協働的結合によってリクルートされたりする。3つ目に、ヌクレオソームはATP依存性リモデリング複合体によって移動される場合がある[34]

ヌクレオソームスライディング (nucleosome sliding)

Bradburyの研究室によって、5S DNA上に再構成されたヌクレオソームは熱を加えることで近接配列へ移動して再配置されることが示された[35]。その後の研究では、この再配置にはヒストン八量体の解体は必要なく、ヌクレオソームはDNAに沿ってシスに「スライド」することが示された。さらに2008年には、CTCF結合部位がヌクレオソームの配置のアンカー部位として機能することが明らかにされ、さまざまなゲノムシグナルの解析の際のアラインメントに利用することで、隣接して位置する複数のヌクレオソームに関する情報を容易に得られるようになった[36]。ヌクレオソームは本質的に動きやすいものであるものの、真核生物はクロマチン構造を変化させるためにATP依存性クロマチンリモデリング酵素の大きなファミリーを進化させており、その多くはヌクレオソームスライディングを利用する。2012年、Beena Pillaiの研究室はヌクレオソームスライディングが大規模な組織特異的な遺伝子発現の機構の1つである可能性を示した。この研究では、特定の組織で発現している遺伝子の転写開始部位にはヌクレオソームが存在しないが、その遺伝子が発現していない他の組織ではヌクレオソームが結合していることが示された[12]

DNAの露出

Widomの研究室の研究によって、ヌクレオソームのDNAは巻き付いた状態と巻き付いていない状態の平衡にあることが示された。時間分解FRETを用いたその速度の測定によって、ヌクレオソーム内のDNAは約250 msの間完全に巻き付いた状態が維持された後に自発的にほどけ、10–50 ms以内に再び巻き付くことが明らかにされた[37]。このことは、DNAをヌクレオソームから能動的に解離させる必要はなく、完全にアクセス可能な時間がかなりあることを意味している。実際、ヌクレオソーム内のDNAにDNA結合タンパク質の結合配列を導入すると、そのタンパク質がDNAに結合して隣接領域のアクセス性が高まるという観察結果が得られている[38]。このようなヌクレオソーム内のDNAが「呼吸」する傾向は、クロマチン環境で動作するすべてのDNA結合タンパク質にとって重要な機能的影響をもたらす。特に、ヌクレオソームの動的な「呼吸」は、転写伸長時のRNAポリメラーゼIIの前進の制限に重要な役割を果たしている[39]

ヌクレオソームを含まない領域 (nucleosome-free regions)

活発な遺伝子のプロモーターには、ヌクレオソームを含まない領域(nucleosome free region、NFR)が存在する。それによってプロモーターDNAに転写因子などさまざまなタンパク質がアクセスできるようになる。一般的に出芽酵母Saccharomyces cereviaeでは、NFRは約200ヌクレオチドにわたって存在している。安定した位置にあるヌクレオソーム(well-positioned nucleosome)がNFRの境界を形成する。こうしたヌクレオソームは+1-ヌクレオソーム、−1-ヌクレオソームと呼ばれており、転写開始部位からそれぞれ下流、上流の一定の距離に位置している。+1-ヌクレオソームとその下流のいくつかのヌクレオソームにはヒストンバリアントH2A.Z英語版が組み込まれている傾向がある[40]

ヌクレオソーム構造の調節

真核生物のゲノムはクロマチンを形成しているが、細胞は大量のクロマチンとは無関係に特定の遺伝子座を空間的・時間的に調節する必要がある。DNA複製、修復、転写などの核内過程の調整に必要な高いレベルの制御を達成するため、細胞はクロマチンの構造と機能を局所的・特異的に調節するさまざま手段を発達させている。これには、ヒストンの共有結合修飾、ヒストンバリアントの組み込み、ATP依存的リモデリング酵素による非共有結合的な再構成などがある。

ヒストンの翻訳後修飾

ヒストンテールと、クロマチン形成におけるその機能

ヒストン修飾は1960年代半ばに発見されて以降、転写に影響を与えることが予測されてきた[41]。初期に発見された翻訳後修飾の大部分はヌクレオソームのコアから突出したテール部分に集中していたことから、ヒストン修飾の機構に関する2つの主要な仮説が導かれた。1つ目の仮説は、ヒストン修飾はヒストンテールとDNAの間の静電的相互作用に影響を与え、クロマチン構造を緩めるというものである。その後、こうした修飾は他のタンパク質をリクルートするための結合エピトープを形成するという仮説が提唱された[42]。近年、ヒストンの構造領域にも多くの修飾が発見されており、こうした修飾がヌクレオソームコア内部のヒストン-DNA間相互作用[43]やヒストン-ヒストン間相互作用[44]に影響を与えることが提唱されている。アセチル化リン酸化など、ヒストンコアの電荷を減らす修飾はコアとDNAの結合を緩めることが予測される。その影響の大きさはコア内の修飾の位置に依存している[45]。一部の修飾は遺伝子のサイレンシングと相関しており、他のものは遺伝子の活性化と相関しているようである。一般的な修飾としては、リジンのアセチル化、メチル化ユビキチン化アルギニンのメチル化、セリンのリン酸化である。このようにして保存された情報は、DNAにはコードされていないものの娘細胞に遺伝するため、エピジェネティックな遺伝とみなされる。遺伝子の抑制状態や活性化状態の維持は、細胞分化の過程で必要となることが多い[14]

ヒストンバリアント (histone variants)

ヒストンは進化の過程で顕著に保存されているが、いくつかのバリアントが同定されている。このヒストンの機能の多様化はH2AとH3にほぼ限られており、H2BとH4はほぼ不変である。H2AはH2A.Z(ヌクレオソームの安定性の低下をもたらす)またはH2A.XDNA修復T細胞の分化と関係する)によって置き換えられる場合があり、哺乳類の不活性化X染色体にはmacroH2A英語版が多く存在する。H3はH3.3(活発な遺伝子や調節エレメントと相関する)に置き換えられる場合があり、セントロメアではH3はCENPAによって置き換えられる[14]

ATP依存性ヌクレオソームリモデリング (ATP-dependent nucleosome remodeling)

多数の異なる反応がATP依存性クロマチンリモデリングという用語で呼ばれている。リモデリング酵素は、ヌクレオソームをDNAに沿ってスライドさせたり[46]、H2A-H2B二量体を不安定化する程度にヒストン-DNA間の接触を妨げたり[47][48]、DNAとクロマチンに負の超らせんねじれを形成したりする[49]。近年では、Swr1リモデリング酵素がヒストンバリアントH2A.Zをヌクレオソームに導入することが示されている[50]。現時点では、これらが異なる反応であるのか、それとも共通の機構から生じた異なる結果であるだけなのかは明らかではない。これらの過程すべてに共通し、そしてATP依存性クロマチンリモデリングの特徴となるのは、DNAへのアクセスに変化が生じるということである。

In vivoでの遺伝子活性化[51]in vitroでのリモデリング[52]の観察から、クロマチンリモデリングと転写因子の結合は本質的に定期的かつ周期的に生じる現象であることが明らかにされている。このことがクロマチンリモデリングの反応機構に与える影響は明らかではないが、システムの動的な性質は外部からの刺激への迅速な応答を可能にしている。近年の研究では、マウスの胚性幹細胞の発生過程でヌクレオソームの位置は大きく変化し、こうした変化は発生に関係した転写因子の結合と関係していることが示されている[53]

酵母ゲノム内での動的なヌクレオソームリモデリング

2007年の研究では、酵母ゲノム中のヌクレオソームの位置の一覧が作成され、プロモーター領域や複製起点ではヌクレオソームが失われていることが示された[54][55][56]。酵母ゲノムの約80%はヌクレオソームで覆われているようであり[57]、ヌクレオソームの位置には転写の調節領域、転写される領域、DNA複製を開始する領域などと関係した特有のパターンが観察された[57][58]。最近では、ゲノム全体での転写リプログラミング時のヌクレオソーム配置の動的な変化を調べる研究が行われ、出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeのゲノム全体でのヌクレオソームの位置変化が明らかにされた[59]。その結果からは、プロモーター領域に局在していたヌクレオソームは、熱ショックなどのストレスに応答して位置が変化することが示唆された。さらに、ヌクレオソームの除去は転写の活性化に、ヌクレオソームの置換は転写の抑制に対応しており、これらはおそらく転写因子の結合部位がアクセスしやすくなったりしにくくなったりするためである。一般的には、プロモーター上の1つか2つのヌクレオソームが再配置されるだけで、こうした転写の変化がもたらされる。しかし、転写変化を伴わない染色体領域でもヌクレオソームの配置変化は観察されており、DNAがヌクレオソームで覆われていたりいなかったり、ということが必ずしも転写と関連した現象を引き起こすわけではないことが示唆された。また、ヌクレオソームのない領域の保護にはHMGBタンパク質が大きな役割を果たしていることが示唆された[60][61]

In vitroでのヌクレオソームの組み立て

ヌクレオソームの組み立ての模式図

ヌクレオソームは、精製された天然のヒストンまたは組換えヒストンのいずれかを用いてin vitroで組み立てることができる[62][63]。ヒストンの周囲にDNAを巻きつかせる標準的技術は、脱塩透析を用いるものである。ヒストン八量体と裸のDNAを2 Mの塩濃度の反応溶液で共にインキュベートし、塩濃度を徐々に低下させることで、DNAはヒストン八量体の周囲に巻きついた状態に平衡化され、ヌクレオソームが形成される。適切な条件下でこの再構成過程を行うことによって、特定の配列のヌクレオソーム配置親和性の実験的マッピングを行うことができる[64]

ジスルフィド架橋されたヌクレオソームコア粒子

近年、部位特異的ジスルフィド架橋によって安定性が向上したヌクレオソームコア粒子を生産することが可能となっている[65]。ヌクレオソームコア粒子には2つの異なる架橋が導入可能である。1つ目はH2AにN38Cの変異を導入することで2つのH2Aの間を架橋するもので、ヌクレオソーム再構成時のH2A-H2B二量体の喪失に対して安定となる。2つ目はH3のN末端テールとヌクレオソームのDNAの末端に導入した改変ヌクレオチドとの間の架橋である[66]。DNA-ヒストン八量体間の架橋は、非常に低い粒子濃度や高い塩濃度でのDNAの解離に対して安定となる。

In vivoでのヌクレオソームの組み立て

ヌクレオソームの組み立てのステップ

ヌクレオソームは周囲にDNAが巻き付いたヒストンタンパク質から構築される、DNAのパッキングの基本的単位である。ヌクレオソームはより高次のクロマチン構造の形成のための足場となるとともに、遺伝子発現制御の1つの階層を形成している。DNA複製の過程で解体されたヌクレオソームは、複製フォークの後ろで、新たに合成されたDNA上に迅速に組み立てられる。

H3とH4

古いヌクレオソームから解体されたヒストンH3とH4は近接して存在し続け、新たに合成されたDNA上にランダムに分布する[67]。これらは3つのサブユニット(p150、p60、p48)からなるCAF-1英語版(chromatin assembly factor 1)複合体によって組み立てられる[68]。一方、新しく合成されたH3とH4は、RCAF(replication coupling assembly factor)によって組み立てられる。RCAFにはASF1英語版サブユニットが含まれ、新しく合成されたH3とH4に結合する[69]。古いH3とH4ではその化学修飾は保持されており、エピジェネティックな特徴の継承に寄与する。新しく合成されたH3とH4は、クロマチンの成熟の過程でさまざまなリジン残基が徐々にアセチル化される[70]。また、新たなヌクレオソームに組み込まれた古いH3とH4は、ヒストン修飾酵素をリクルートして新しいヒストンに標識を付加することで、エピジェネティックな記憶に寄与する。

H2AとH2B

古いH3やH4の場合とは対照的に、古いH2AとH2Bは放出されて分解される。そのため、新たなヌクレオソームには新たに組み立てられたH2AとH2Bが組み込まれる[71]。H2AとH2Bは二量体へと組み立てられ、その後NAP-1(nucleosome assembly protein-1)によってヌクレオソームにロードされる。NAP-1はヌクレオソームスライディングも補助する[72]。また、ヌクレオソームはIsw1、Ino80Chd1英語版などの酵素を含むATP依存性ヌクレオソームリモデリング複合体によって配置され、その後、高次構造へと組み立てられる[73][74]

ギャラリー

ヌクレオソームコア粒子の結晶構造(PDB: 1EQZ​)[24][25] - 3つの異なる方向から見たヒストンのフォールディングと構成。それぞれH2AH2BH3H4DNAと色付けされている。

出典

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関連項目

外部リンク

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