For faster navigation, this Iframe is preloading the Wikiwand page for アリア.

アリア

アリア (: Aria: Arie〈アーリエ〉、: Air〈エール〉、: Air〈エア〉) は、叙情的、旋律的な特徴の強い独唱曲で、オペラオラトリオカンタータなどの中に含まれるものを指す。また広義に、そのような独唱曲を想起させる曲を指す。

オペラなどでは、特に独唱者にとって聞かせどころとなる曲である。オペラやオラトリオの構成では、アリアの前に語りの内容が重視されあまり旋律的でないレチタティーヴォを置くことが多い。

日本では詠唱と訳されることもある。

用語

イタリア語の aria は、音楽の節・旋律を意味し、ほかに「空気」や「態度」の意味もある。歌曲だけでなく、バロック音楽組曲の楽章の名にもアリアは使われ、旋律的・抒情的で、既存の舞曲のカテゴリに属さない曲をいう[1]

アリアの小規模のものをアリエッタイタリア語: arietta)と呼ぶ。

英語のair(エア)や、フランス語のair(エール)も同源の言葉だが、音楽用語としては使い分けられ、たとえば英語ではバロック以来のオペラなどのものは「aria」と呼び、組曲の楽章として使われるものやイギリスの伝統的な曲(ロンドンデリーの歌など)、およびフランスのもの(エール・ド・クールを参照)は「air」、16世紀末から17世紀はじめのジョン・ダウランドなどの有節歌曲形式によるリュート歌曲は「ayre」(airの古い綴り)と呼ぶ[2]

18世紀フランスの叙情悲劇では、混乱することにイタリア式のアリアを「ariette」と呼び、「air」はレチタティーヴォの中の旋律的な部分(アリオーソ)を指すのに使った[3]

歴史

音楽用語としてのアリアは14世紀に現れるが、時代がたつにつれて叙情的な歌曲を指すようになっていった。17世紀の初期バロック音楽では、オペラなどの一部として使われるか、あるいは単独のアリア集として出版された。この時代のアリアは有節歌曲形式で、独唱者の歌う詩節の間を器楽によるリトルネッロによって結んでいた。代表的な作品にモンテヴェルディオルフェオ』(1607)で音楽の女神が歌う序の部分があげられる[4]

17世紀後半になると叙事的なレチタティーヴォと抒情的なアリアがはっきり分離する傾向が生じた。後期バロックではダ・カーポ形式(A - B - A)を持つアリアが優勢になり、量産されるようになった[5]。18世紀後半になるとグルックらがダ・カーポ・アリアを歌手の技巧をひけらかすだけで劇の進行を妨げるものと批判し、さまざまな新しい形式が模索された[4]オペラ・ブッファに由来する単純な二部形式のアリアや、ダ・カーポ・アリアの最初のAを属調で終えてダ・カーポをソナタ形式のように再現させる方式、あるいはカヴァティーナなどが発達した[3]

歌手の技巧を見せるために、ダ・カーポした後により速い別な旋律を加えたり(『フィガロの結婚』より「楽しい思い出はどこへ」〈Dove sono〉)、さらに速いストレッタと呼ぶ部分を加えるなどの工夫がなされた。ここから発達したのが遅いカンタービレと速いカバレッタの2曲からなる形式で、19世紀のイタリアでロッシーニらが用いたアリアではこの形式が他の形式を圧倒した[3]

カンタービレ=カバレッタ形式はさらに発達してシェーナ(レチタティーヴォ的な内容)、カンタービレ(通常ゆっくりした抒情的な内容)、テンポ・ディ・メッゾ(気分の転換)、カバレッタ(通常は速く、合唱をはさんで繰り返される激しい内容)が順に歌われるようになった。たとえばヴェルディ椿姫』のヴィオレッタのアリア「そは彼の人か(カンタービレ)……花から花へ(カバレッタ)」が代表的な例である。一方フランスのマイアベーアらによるグランド・オペラではアリアは少なくなっていった。ワーグナーの作品では、独立した歌曲であるアリアは重要性を失っていき、この傾向はドイツ以外にも広まった[4]

ヴェルディの後期の作品では「番号オペラ」から脱却して、よりドラマの内容を現実的に表現するようになっていった。カバレッタが除かれてふたたび一曲のみになるか、あるいは、『アイーダ』の「勝ちて帰れ」のように人物の気分を反映して曲が次々に変化するようになった。ヴェリズモ・オペラプッチーニの作品では(ワーグナーほどではないが)アリアは特定の形式を持たなくなり、周辺の音楽からの独立性を失った[3]

20世紀のオペラでは登場人物が実際に歌うシーンや、ストラヴィンスキーヒンデミットのような新古典主義音楽にのみアリアが現れる[4]

有名なオペラ・アリア

アリアと題された器楽作品

脚注

  1. ^ Don Michael Randel, ed (2003). “Air”. The Harvard Dictionary of Music (4th ed.). Harvard University Press. pp. 29. ISBN 0674011635 
  2. ^ Alison Latham, ed (2002). The Oxford Companion to Music. Oxford University Press. ISBN 0198662122 (Air, Ayre, Aria の各項目を参照)
  3. ^ a b c d Alison Latham, ed (2002). “Aria”. The Oxford Companion to the Music. Oxford University Press. pp. 59-61. ISBN 0198662122 
  4. ^ a b c d Don Michael Randel, ed (2003). “Aria”. The Harvard Dictionary of Music (4th ed.). Harvard University Press. pp. 54-55. ISBN 0674011635 
  5. ^ 皆川達夫『バロック音楽』講談社現代新書、1972年、90-95頁。 
{{bottomLinkPreText}} {{bottomLinkText}}
アリア
Listen to this article

This browser is not supported by Wikiwand :(
Wikiwand requires a browser with modern capabilities in order to provide you with the best reading experience.
Please download and use one of the following browsers:

This article was just edited, click to reload
This article has been deleted on Wikipedia (Why?)

Back to homepage

Please click Add in the dialog above
Please click Allow in the top-left corner,
then click Install Now in the dialog
Please click Open in the download dialog,
then click Install
Please click the "Downloads" icon in the Safari toolbar, open the first download in the list,
then click Install
{{::$root.activation.text}}

Install Wikiwand

Install on Chrome Install on Firefox
Don't forget to rate us

Tell your friends about Wikiwand!

Gmail Facebook Twitter Link

Enjoying Wikiwand?

Tell your friends and spread the love:
Share on Gmail Share on Facebook Share on Twitter Share on Buffer

Our magic isn't perfect

You can help our automatic cover photo selection by reporting an unsuitable photo.

This photo is visually disturbing This photo is not a good choice

Thank you for helping!


Your input will affect cover photo selection, along with input from other users.

X

Get ready for Wikiwand 2.0 🎉! the new version arrives on September 1st! Don't want to wait?